カトリック東京大司教区(菊地功大司教)は26日、「新型コロナ・ウイルス感染症に伴う、公開のミサ中止について」と題する文書を発表し、「2月27日(木)から3月14日(土)まで、公開のミサを原則として中止」することを明らかにした。
東京大司教区は東京都、千葉県の1都1県で、感染者は東京都36人、千葉県14人(28日現在、以下同)。
ちなみに菊地大司教は27日、「ミサに関する文書への補足」と題した文章を自身のブログとフェイスブックに投稿した。「ミサの中止」という言葉がひとり歩きしないよう、次のように釘を刺している。
ミサは中止にはなっていません。中止になっているのは上記『公開ミサ』であって、教区内の小教区や修道院にあっては、「公開されない」形で、ミサが通常通り毎日捧げ続けられています。東京教区共同体内から、ミサが消えてしまったわけではありません。司祭はたとえ一人でミサを捧げたとしても、すべては「公」のミサとして捧げます。
また、聖体拝領についても述べている。
今回の決断は、教会が存在する地域共同体の共通善に資するために下したものですが、それが一時的に聖体祭儀が捧げられないような状態をもたらすことと、結果として生み出される善とを比較しながら到達した、何日もの祈りと熟慮と諮問の結果であることをご理解頂けると幸いです。
同時にそうであっても、司教にはどのような場合でも、信徒が聖体の秘跡に与るためにどうするのかを配慮する義務があります。
ちなみに、東京カテドラル(カトリック関口教会)での四旬節第一主日のミサが、3月1日午前10時からユーチューブでライブ配信される。
さいたま教区(教区長:山野内倫昭司教)は27日、「新型コロナウィルス感染症に対する対応【第3次】」と題する文書で、東京大司教区と札幌教区に続いて公開ミサを中止すると発表した。
1 2月27日(木)から3月14日(土)まで、主日のミサをはじめ、公開のミサを原則として中止します。
2 3月1日と8日の2回の主日については、さいたま教区のすべての信徒を対象に、主日のミサに与る義務を免除します。その日の聖書の朗読個所を読み、祈りを捧げる時を持つことを勧めます。
3 週日のミサは、ごく小規模の参加の場合を除いて同様に中止とします。
4 ただし、結婚式や葬儀は、充分な感染対策を取った上で、通常通り行います。
5 ミサ以外の諸行事については、規模が小さい集まりを除いて、できる限り、延期または中止するようご配慮ください。なお、飲食が伴う行事に関しては自粛をお勧めします。
6 大きな変化がない限り、この初期対応としての2週間が経過後は通常に復帰の予定ですが、この期間が終了する前に今一度判断を行いたいと考えています。
さいたま教区は埼玉県、栃木県、群馬県、茨城県の4県で、感染者は埼玉県4人、栃木県1人。
横浜教区(教区長:梅村昌弘司教)は神奈川県、静岡県、長野県、山梨県の4県で、感染者は神奈川県21人、静岡県1人、長野県2人。梅村司教から28日、「新型コロナウィルス対応について」の発表が以下のようにあった。主日のミサを一律に中止するのではなく、現場の判断にゆだねるという。
1 教区として、全教会のミサ、特に主日のミサを一律に中止するというような指示はいたしません。横浜教区は4県にわたっており、小教区の置かれている状況もさまざまです。それぞれの現場での判断におゆだねします。言うまでもなく、衛生対策は十分行なってください。
2 体調がすぐれない方はミサへの参加をお控えください。またご高齢の方、持病をお持ちの方も無理なさらないでください。
3 同じく、体調不良、またはご高齢や持病をお持ちの神父様方も、無理せずミサの挙行をお控えください。
4 主日のミサの義務を免除する権限は各司祭に与えられておりますが、改めて教区長として義務からの免除をいたします。
5 そのほか個人としてまた共同体として、賢明かつ冷静に対応してください。
名古屋教区(教区長:松浦悟郎司教)は28日、「新型コロナウイルス対策について(3)」で8日と15日の主日のミサ中止を発表した。
松浦司教はその中でこのように述べている。「私はこれまで、公的機関(学校など)が正式に閉鎖するような事態になるまでは、ミサは慎重にでも続ける方針でいました。しかし、今回の要請によって、名古屋教区としても、社会全体の動きに協力し、特に強調されていた感染スピードの抑制の重要なこの2週間に限って、主日のミサを行わないことにしました」。名古屋教区ではすでに21日、「新型コロナ対策について」、25日に「新型コロナ対策について(2)」を発表している。
1 3月8日(日)と15日(日)の2回の主日のミサを中止します。
*3月1日(日)のミサに来られた皆さんは、8日と15日の「聖書と典礼」を持ち帰り、当日、家庭で、あるいは個人でみ言葉を味わい、祈りをするようにしてください。教会に集まることが出来なくても、主の日に心を合わせて共に神さまを賛美することは私たちのもっとも重要な務めです。
*司祭の皆さんは、できるだけ毎日、一定時間聖堂を開け、個人的にいつでも祈れるように配慮して下さい。2 平日のミサは、小規模の場合、通常通り行います。ただし、(1)に示した対策を十分とるようにして下さい。状況によっては主任司祭の判断で中止することもできます。
*(1)の対策とは、手洗い、咳エチケット、舌での拝領を避ける、体調のすぐれない人は休むなど。3 葬儀、結婚式、その他、主日以外でどうしても必要なミサなどは、充分な感染対策をとった上で慎重に行って下さい。
名古屋司教区は愛知県、岐阜県、石川県、福井県、富山県の5県で、27日夕現在の感染者数は愛知県28人、岐阜県2人、石川県5人となっている。