カトリック鹿児島教区、全小教区において今年の聖週間の典礼は非公開に

 

カトリック鹿児島教区(教区長:中野裕明司教)は1日、教区通達第5弾「新型コロナ・ウイルス感染防止対策」という文書を発表した。鹿児島教区が管轄する鹿児島県の感染者は2人確認されているだけだが(2日現在)、「全小教区において今年の聖週間の典礼は非公開にする」と通達した。その理由として、「鹿児島県では、現時点で他県に比べて感染者の数は少ないためか、感染拡大に対する危惧の念が薄いように思います」と述べている。

そして、「特別な注意事項」として、「自分の教会でミサがないという理由だけでミサのある教会に行かないようにしてください。『公開ミサ』を中止した理由を尊重してください。そうでないとミサを中止した理由がなくなります」と念押しをした。

鹿児島カテドラル・ザビエル記念聖堂の祭壇(写真:tomasuakinasu)

教区通達第5弾「新型コロナ・ウイルス感染防止対策」の全文は次のとおり。

ご承知の通り、全世界は現在、新型コロナ・ウイルスの爆発的感染の恐怖に、晒(さら)されています。日本も例外ではありません。日本は現在、政府による「外出自粛要請」発布と「緊急事態宣言」の発布の中間にいるといえます。

「外出自粛要請」とは「不要不急の外出」は控えるようにとの要請です。この場合は、「不要不急」の用事とは何かの決定は、本人の自由意思に任されています。

一方、集会や会合を開く場合、①閉鎖空間、②身体の濃厚接触、③長時間の近距離の対話、この3つの条件を完全に回避するように勧告しています。

鹿児島県では、現時点で他県に比べて感染者の数は少ないためか、感染拡大に対する危惧の念が薄いように思います。

そこで、私は鹿児島教区長として、次の通達を発布いたします。

1 全小教区において今年の聖週間の典礼は非公開にする。

2 各人は、家庭で信仰の核心である、イエスの死と復活の神秘を黙想し、感染終息のために希望を失わないで祈る。

3 すべての死者、特に新型コロナ・ウイルスで亡くなつた方々のために祈る。

4 現在、感染者の救済のために英雄的に尽力している医療従事者のために祈る。

5 感染拡大を最小限に抑えるために、健康な人々が、欲望を抑え、自己犠牲の精神を実践できるように祈る。

【特別な注意事項】
現在、鹿児島教区では、主日のミサの実施については、各主任司祭の裁量にゆだねています。したがつて、「ミサ中止」ではなく、「公開ミサ中止」あるいは「ミサ自粛」という意味です。これは、それぞれの小教区が慎重な討議の上、決定したことです。従って自分の教会でミサがないという理由だけでミサのある教会に行かないようにしてください。「公開ミサ」を中止した理由を尊重してください。そうでないとミサを中止した理由がなくなります。

雑賀 信行

雑賀 信行

カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。

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