日本キリスト教文化協会(大島力理事長)は2024年の「キリスト教功労者」に、木村利人(早稲田大学名誉教授)、潮谷義子(元熊本県知事)、松本宣郎(東北学院大学名誉教授)の3氏を選定し、10月21日、日本基督教団銀座教会(東京都中央区)で関係者ら約50人とともに顕彰式を行った。顕彰は今回で55回目。
同顕彰式は、キリスト教文化に関わる教育・福祉・医療・社会事業・文化活動などの分野で貢献した人を顕彰することによって、さらなる活動と研究を促し、キリスト教文化を通して、隣人を愛し、思いやりのある文化の醸成を図ることを目的に1964年から開催されてきた。選考の対象となるのは、キリスト教関係の事業や思想の普及に功労のあった75歳以上の男女。
式では3氏に表彰状と花束が授与され、それぞれ深い親交のある後宮敬爾氏(日本基督教団霊南坂教会主任牧師)、市川一宏氏(ルーテル学院大学名誉教授)、野村信氏(東北学院大学名誉教授、日本カルヴァン学会会長)が祝辞を述べた。
功労者の略歴は以下の通り。
木村利人 きむら・りひと 1934年東京生まれ。早稲田大学卒業。同大学院修了後、タイ、ベトナム、スイス、アメリカで研究員・教授を務める。1987年早稲田大学で日本初のバイオエシックス(生命倫理)講座を開設。恵泉女学園大学学長、日本生命倫理学会代表理事などを歴任。日本基督教団霊南坂教会員。「幸せなら手をたたこう」の作詞をはじめ、賛美歌の作詞・作曲も手がける。
潮谷義子 しおたに・よしこ 1939年佐賀生まれ。日本社会事業大学卒業。佐賀県福祉事業所、大分県社会課で社会福祉主事を務めた後、慈愛園乳児ホーム(熊本県)に勤務、84年より施設長。99年熊本県の副知事に任命され、2000年同県知事に就任(2期8年)。知事退任後は、長崎国際大学学長、日本社会事業大学理事長、社会福祉法人慈愛園理事長を歴任。日本福音ルーテル神水教会員。
松本宣郎 まつもと・のりお 1944年岡山生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院修了。78年より同大学講師、助教授、教授、学長、学院理事長・院長を歴任。2009~13年、宮城学院学院長。日本基督教団仙台広瀬河畔教会員。『キリスト教徒が生きたローマ帝国』(日本キリスト教団出版局)、『初期キリスト教の世界』(新教出版社)など著訳書多数。