今日8月4日は修道士ドン・ペリニヨンがシャンパンを発明した日です。
シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方で作られるスパークリング・ワインのこと。フランス語読みで「シャンパーニュ」と発音されるのが正しく、英語読みでは「シャンペン」です。「ドン・ペリ」の愛称でおなじみの高級シャンパン「ドン・ペリニヨン」は、この修道士の名前に由来しています。
「この杯は、わたしの血による新しい契約です。飲むたびに、わたしを覚えて、これを行いなさい」(1コリント11:25)とイエスが命じたように、キリスト教会では聖体拝領(聖餐式)でぶどう酒(教会によってはぶどうジュース)を飲みます。そのため、中世ヨーロッパでは聖職者がミサのためにぶどう酒を必要としたこともあり、キリスト教の修道院でぶどう栽培とワイン醸造が行われていました。また、それが大きな収入源にもなっていたといいます。
ベネディクト会の修道士ドン・ペリニヨンは、シャンパーニュ地方の修道院のワイン食料貯蔵庫長になります。今のように温度管理ができなかったため、発酵が不完全なまま冬を迎え、春になると再び酵母が活発になり、炭酸ガスが発生してしまうことがしばしばありました。このようなワインをガラスびんに詰めると、内部に炭酸ガスが充満し、びんが破裂する危険性があります。
ドン・ペリニヨンはこの泡をコントロールして質の良いワインを生産できないかと苦心しました。やがて、黒ぶどうから澄んだ果汁をしぼる技法や、異なる個性を持つぶどうをブレンドする「アッサンブラージュ」の手法を生み出すなど、さまざまな研究を重ねますが、完全に泡のないワインを作ることはできませんでした。
そこで、発泡を逆手に取り、分厚いガラスびんにコルクを栓にすることで(それまでは油を染み込ませた木の栓だった)、「発泡ワイン」として出荷できるようになったのです。
スパークリング・ワインは英国のほうが先だったなど諸説ありますが、ドン・ペリニヨンの忍耐とたゆまぬ努力によって誕生したシャンパンは、パーティーをはじめ、華やかな場には欠かせないものとして世界中で愛されています。