今日8月30日は有吉佐和子の帰天日。『恍惚の人』『悪女について』などで知られる小説家です。
戦後間もない16歳のとき、光塩高等女学校(東京・高円寺)在学中にカトリックの洗礼を受けました(洗礼名はマリア・マグダレーナ)。東京女子大学に在学していた時にはカトリック学生連盟に入り、積極的に運動に参加します。そこには、聖心女子大学生で2歳年上の須賀敦子(イタリア文学者)もいました。また、ロシア正教会の哲学者ニコライ・ベルジャーエフに傾倒したといいます。
その作品でキリスト教を正面から描いたものはありませんが、1965年には中国のカトリック(天主教)調査のため半年滞在し、71年、雑誌「世界」(岩波書店)に「中国天主教──1965年の調査より」という記事を書いています。
53歳で急逝。葬儀はカトリック関口教会(東京カテドラル聖マリア大聖堂)で執り行われました。小平霊園にある有吉家の墓には、戒名ではなく「マリア・マグダレナ有吉佐和子 昭和五十九年八月三十日帰天 五十三才」と刻まれています。