今日4月9日は聖木曜日。「最後の晩餐」が行われ(マタイ26:26~30、マルコ14:22~26、ルカ22:14~23、1コリント11:23~26)、イエスさまが弟子の足を洗いました(ヨハネ13:1~20)。
カトリック教会では今日から土曜日まで、キリストの十字架と復活を記念する「聖なる3日間」です。聖木曜日「主の晩さんの夕ベのミサ」は、主日のミサとは異なる特別なプログラムで行われます。
ヨハネ13章から説教があった後、「洗足式」が行われます。あらかじめ選ばれた信徒が前に出て、司祭が水で実際に足を洗います。
聖体拝領(聖餐)が行われた後、いつも聖体(ホスチアと呼ばれる小さな円盤状の白いウエハース)を収めている祭壇の聖櫃(せいひつ)ではなく、聖堂内の別の聖体安置所に司祭が行列して聖体を運びます。そして、キリストの十字架の死を覚えるため、祭壇上のろうそくや祭壇布など、すべてのものが取り除かれます。
また4月9日はディートリヒ・ボンヘッファーが処刑された日でもあります。39歳。『共に生きる生活』(新教出版社)などでも知られるドイツの牧師、神学者です。
1939年、米国に亡命する予定を変更して、ドイツに留まり、反ヒトラー・グループの精神的支柱となりました。43年、ユダヤ人の亡命を援助したことにより逮捕。翌年、反ヒトラー・グループによるヒトラー暗殺計画が失敗に終わり(作戦会議に出席していた多くの幹部が爆死しましたが、奇跡的にヒトラーだけ助かりました)、ボンヘッファーもそのグループに関わっていたことが発覚します。
4月8日、イースターの次の日曜日、仲間の囚人に乞われて礼拝の司式をしていたところを連れて行かれ、翌日、フロッセンビュルク強制収容所で絞首刑に処されました。米軍によって強制収容所が解放されたのは23日、ヒトラーが自殺したのは30日のことでした。最後の言葉は「これが最後です。私にとってはいのちの始まりです」。