今年1月にカトリック浦上教会(旧称:浦上天主堂、長崎県長崎市)で開催された「響け!平和の鐘 プレミアムコン サート」(角川文化振興財団主催) のダイジェスト版アーカイブ動画が、「バチカンと日本100年プロジェクト」公式YouTubeチャンネルで公開された。会場を温かい調和の音で包み込んだコンサートの感動が再びよみがえる。
日本の文化振興に寄与するための事業を手掛ける公益財団法人角川文化振興財団 (理事長:川上量生)が、2019年に38年ぶりとなるローマ教皇の来日を契機に本格的に始動した「バチカンと日本 100年プロジェクト」(日本博イノベーション型プロジェクト)。今回動画配信されるコンサートは、同プロジェクトの締めくくりとして開催され、世界的指揮者であり、同プロジェクトのアンバサダーである西本智実氏が指揮を務めた。
動画は、オープニング映像から始まり、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂の鐘の音と、浦上天主堂のアン ゼラスの鐘の音の共鳴へと続いていく。その後、イルミナートバロ ックアンサンブルが奏でる温かい音色やイルミナート 合唱団の豊かなコーラスが響きわたり、荘厳な浦上教会の雰囲気とともに、情感たっぷりに堪能することができる。さらに、地元の長崎少年少女合唱団との美しい共演が、コンサートのラストを鮮やかに飾る。
指揮を務めた西本氏は、2013年にアジアで初めてバチカン国際音楽祭に招聘されて以来、毎年、サン・ピエトロ大聖堂でコンサートを行い、大きな喝采を浴びてきた。15年の「原爆投下70年」の際には、サン・ピエトロ大聖堂で行われたミサの共同祈願で、原爆投下による犠牲者に対しての追悼メッセージを世界に向け発信。また、ローマ教皇から託された親書を、長崎と広島の両市長に手渡しで届けるなどバチカンと日本をつなぐ様々な文化交流活動を行っている。今秋11月に、コロナ禍で中断を余儀なくされていたバチカン国際音楽祭にも招聘されており、サン・ピエトロ大聖堂でのミサや、サン・ジョヴァン二・イン・ラテラノ大聖堂での演奏が決定している。
コンサートの会場となったカトリック浦上教会は、浦上天主堂の名で一般的に知られており、77年前に被爆した長崎の象徴ともいえる教会。爆心地からわずか500メートルほどに位置していた浦上天主堂は当時、爆風を受けて全壊し、1959年に今の形に再建された。動画の中で鳴り響くアンゼラスの鐘は、2つあった鐘のうち奇跡的に残った1つで、原爆投下直後の荒野と化した中で鳴り響いてから、これまで一日も欠かさず鳴り続けている。
【演目】
1.「オラショ」原曲 グレゴリオ聖歌より 「O gloriosa Domina」2.パッヘルベル作曲 「カノン」3.ジョスカン・デ・プレ作曲 「はかりしれぬ悲しさ」(天正遣欧少年使節がヨーロッパより帰国した後に聚楽第の豊臣秀吉の前で披露したとされる楽曲を再現)4.レスピーギ作曲 「リュートのための古風な舞曲とアリア」より 第3組曲より抜粋〈イタリアーナ〉 〈シチリアーナ〉5.ヘンデル作曲 オラトリオ 「メサイア」より〈ハレルヤ・コーラス〉(長崎少年少女合唱団12人が加わって共演)
「バチカンと日本100年プロジェクト」公式ホームページ
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