聖心女子大学(東京都渋谷区)は1日、第9代学長に髙祖敏明(こうそ・としあき)氏(71)を11月20日の理事会で選任したと発表した。任期は2019年4月1日から4年間。髙祖氏は聖心女子学院理事で上智大学特任教授。来年3月に岡崎淑子学長が任期満了になるのに伴うもの。
髙祖氏は1947年、広島県生まれ。イエズス会系の広島学院高等学校を卒業後、71年、上智大学文学部哲学科を卒業。73年、同大大学院文学研究科教育学専攻修士課程修了。76年、同大大学院文学研究科教育学専攻博士課程満期退学。
その後、文学部教育学科の教員に就任し、教授、文学部長、キリシタン文庫所長などを歴任。99年〜2018年まで上智学院理事長、03年〜09年まで上智短期大学学長を務めた。今年3月に同大を定年退職。専門は比較教育史。イエズス会司祭でもある。
2006年~13年まで文部科学省中央教育審議会専門委員や、現在も経済同友会幹事など、多くの団体の理事・評議員も務めている。また、上智大での長年にわたるアンコール・ワット西参道修復工事ならびにカンボジア人専門家の人材養成に対する貢献とその成果が高く評価され、4日、カンボジア王国より勲章が授与された。
著書に『東洋の使徒 ザビエル』(上智大学出版)、『ルネサンスの教育思想』上、下巻(東洋館出版)など多数。
聖心女子大学は、カトリックの女子修道院「聖心会」を母体として設立された大学。「聖心会」は、イエズス会の会憲を受け継いで創立された女子修道会の一つで、特に女子教育活動に注力し、世界42カ国に170校の姉妹校がある。その教育理念は、一人ひとりの人間をかけがえのない存在として愛するキリストの聖心(みこころ)に学び、自ら求めた学業を修め、その成果をもって社会との関わりを深めること。
現在、文学部に8学科2専攻、大学院に文学研究科(修士・博士前期課程6専攻、博士後期課程3専攻)9専攻を開設しているが、来年度から、時代のニーズに沿った人間教育を強く打ち出し、「文学部」という名称が「現代教養学部」に変更される。