キリスト教徒の保護者から苦情 英学校がダーウィンを題材にした演劇を中止

英国チェシャー州の小学校が、キリスト教徒の保護者からの苦情を受け、チャールズ・ダーウィンを題材にした演劇の上演を取りやめた。「プレミア・クリスチャン・ニュース」が報じた。

この演劇はミュージカル『ダーウィン・ロックス』で、その科学者(ダーウィン)の生涯と進化論を描いたもの。キリスト教徒の保護者グループは、この演劇の一つの場面が、ダーウィンと進化論に反対した司教サミュエル・ウィルバーフォース氏の考えを嘲笑していると感じ、子どもたちにこの演劇を見せることはできないと主張した。このミュージカルは7歳から11歳を対象としている。

チェシャー州の村にある無宗教のコミュニティースクール、ハートフォード・マナー小学校は、この反対意見を受けて、ミュージカルを中止し、より物議を醸さない別の演目に変更することを決定。この決定は、子どもたちが貴重な学習の機会を奪われたことは「容認できない」と主張する別のグループの親たちの怒りを買っている。

ミュージカルの復活を望む同校の保護者アラン・マクドナルド氏は、インデペンデント紙に「本当に大きな後退のように感じます。公平でも正当でもないように思えます」と語った。

他の保護者は、この非宗教系コミュニティ学校の校長が地元の司祭であることから、利害の対立があるのではないかと主張した。

ハートフォード・マナー小学校の校長サイモン・キッドウェル氏は次のように述べた。「私たちは、台本を書き直すのは問題があると考えました。ですから、変更することにしました。しかし、今にして思えば、それは性急な決断だったと思います。私たちは、誰もが参加できるように変更できるかどうかをもっとよく検討すべきでした。私は保護者の方々に謝罪しました。そして、誰もが参加できるように編集できることを確信できれば、今後、この劇を上演することを検討します」

校長は、劇のキャンセルの決定に、理事長は関与していないと付け加えた。

(翻訳協力=中山信之)

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