8月21日「福音の主張」

 わたしたちを現実と繋げているというのが、福音の主張である。 ―― 「現実の一部」だけではない。「現実の全て」と繋げるのだ。創造する神と、神が創造された世界と人々とも繋げる。福音はわたしたちを、贖(あがな)うキリストと、キリストが愛する人々とも繋げる。福音はわたしたちを、自らの希望や失望の思いと繋げ、自らの疑いや信仰と繋げ、自らの有徳な行動と邪悪な行動とも繋げる。福音はわたしたちをあらゆること、つまり目に見えるものと目に見えないもの、と繋げ、正しいことと悪いこと、善と悪とも繋げる。そのように繋げ、成熟した生き方が出来るように、福音はわたしたちを訓練する。

 狂気へと進む世界に、わたしたちは生きている。しかし、福音によって、わたしたちは自由に考えることができる。そうしてわたしたちは、福音により、豊かで逞(たくま)しく健全な状態へと導かれる。豊かで逞しく健全であること、これこそが福音の最も魅力的な特徴の一つである。真実、信仰に生きる人々 ―― そうした人々こそ、現実と向きい合い、同時に、驚くほど「まとも」な人々である。

それからイエスは「イエスを信じている」と言い募る人々に振り返って言われた。「今聞いたことに留まり、わたしがあなたに伝えた通り生きて見せるなら、確かに、あなたはわたしの弟子なのだ。そうする時、あなたたちはきっと、自分自身のこととして真理を経験し、真理があなたたちを自由にするだろう。」
―― ヨハネによる福音書8章31~32節

*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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