10月11日 コリントの信徒への手紙二11章30節

誇る必要があるなら、わたしの弱さにかかわる事柄を誇りましょう。
コリントの信徒への手紙二11章30節(参照箇所同書11:16〜33)

 

パウロは伝道の旅を続けるなか、さまざまな苦労を重ねてきたことを、「・・・しばしば食べずにおり、寒さに凍え、裸でいたこともありました」(27節)と告白しています。どんな苦労があろうと、キリストの使徒としてびくともしない信仰の強さを表明してくれるにちがいないと期待したくなりますが、その期待は裏切られます。彼は伝道者、使徒には似付かわしくないと思われるほどのぶざまな姿をさらけ出します。

「その上、わたしに迫るやっかい事、あらゆる教会についての心配事があります」(28節)と弱り切った姿をあからさまにするのです。信仰者は強く振る舞わなければ信仰者として証を立てることにはならないとするなら、彼の姿はつまずきの姿かもしれません。しかし彼は、敢えて自分の弱さをそのまま表に出したのです。

彼は自らの弱さをさらけ出すことによって、そのような自分が伝道者、使徒として用いられていることを証しているということができましょう。強くなることは、努力すれば誰にだって不可能なことではありません。しかし弱くなる勇気は信仰がなければ不可能です。背後に弱くなることを支えるお方が、その勇気をくださいます。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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