そして、昼も夜もこの神殿に、この所に御目を注いでください。ここはあなたが御名を置くと仰せになった所です。この所に向かって僕がささあげる祈りを聞き届けてください。
歴代誌下6章19〜20節(参考箇所同書6章1〜42節)
ダビデの子ソロモンは神殿を建設します。幕屋から神殿への変化は何か、その意味をソロモンは祈りに託して明らかにしているのです。
父ダビデが神殿を建てようと企てたとき、主なる神は家に住むことなく、幕屋から幕屋に移ってきたと告げられたのでした。その意図に反するかのように、子ソロモンは神殿を建設します(11節)。しかしダビデに告げられた神の御心を承知していると表明しているのです。彼は人間と共に地上にお住まいにならないのであり、建てた神殿は神にふさわしくない(18節)と言います。
彼にとって神殿とは祈りの場でありました。ソロモンは「僕がささげる叫びと祈りを聞き届けてください」(19節)と言います。権力に酔いしれているかのように見えるソロモンも苦悩の人であることを伺わせます。彼にとって神殿は祈りの場であって苦悩を集める場であり、神が聞き届けてくださるところであるとしたのです。
祈りの場とは、礼拝をする場に他なりません。毎日曜日、礼拝のため出かける教会はどのような質素な建物であろうと人間としての苦悩の叫びとありのままの祈りを捧げる場であり、礼拝を通して、それを神が聞いてくださる場なのです。