初めに、神は天と地を創造された。
創世記1章1節(参考箇所同書1章1〜25節)
昆虫学者ファーブルは「あなたは神を信じますか」と聞かれて、「わたしは毎日神を見ている」と答えたという逸話が残されています。存在する世界は、いたるところに神の創造のしるしを留めています。ファーブルは、創造のしるしを昆虫の世界に見ました。先端的な科学の研究をする学者たちの中には、研究すればするほど分からない世界が広がる、もはや神がいるとしか考えられないという人もいます。
21世紀の課題は、考えて分かる、目で見て実証するという科学の知では、もはや負い切れない問題をどう扱うかであるといわれます。ある生命科学者は「科学とは物事の極大と極少を探求する知の営みである。しかし極大と極少の果てはどうなっているか結局は分からない。人は各自自分なりの物語をつくることで答えを見つける」と言います。
神は存在しないという主張はもはや時代遅れの感さえあります。その意味では、あらためて宗教が人間に必要な時代が始まっています。その宗教は成熟した宗教でなければなりません。その手がかりが「初めに、神は天と地を創造された」ことにあることにうなずかざるを得ない時代が始まっていることに気付かされます。