10月18日 ガラテヤの信徒への手紙3章13節

キリストは、わたしたちのために呪いとなって、わたしたちを律法の呪いから贖い出してくださいました。
ガラテヤの信徒への手紙3章13節(参照箇所同書3:7〜14)

 

このパウロの言葉は、申命記21章23節に由来するものです。わたしたちは、キリストが木にかけられて呪いとなるなどということは、そんな残酷なことをと思いたくなります。これについて、ルターは、「キリストはこれまでになかったほどの最悪の盗賊、殺人者、姦淫者、迫害者、涜神者(とくしんしゃ)、背信者となられたのである」と言い、かつての迫害者パウロ、背信者ペトロ、姦淫者ダビデの罪を引受けられた、それによって償いをされるのである、だからキリストが罪人であり、呪いであることを否定してはならない、「このようにわたしの罪、あなたの罪、全世界の罪をキリストに着せ、それでキリストを包み込み、キリストが我々のすべての罪を負われるのを見ることは、我々の最大の慰めである」と言います。

福音による救いは、極めて逆説的であります。キリストが罪人となってくださらなければ、わたしたちは救われません。その意味で、キリストが罪人として十字架上で呪いの死を遂げられるのは、わたしにとっての最大の慰めになるのです。そこからキリストはわたしのために死んでくださったという信仰が生まれてくるのですから。(引用は徳善訳ガラテヤ大講解から)

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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