今日3月31日は、よど号ハイジャック事件が起こった日。1970年のことで、日本初のハイジャック事件でした。
安保闘争のとき、革命のためには戦争が必要だとする若者たちが「赤軍派」を結成。その一部が羽田空港発の日本航空351便(愛称「よど号」)をハイジャックして北朝鮮に亡命しました。
その途中に韓国で解放された乗客の中に、聖路加国際病院内科医長(当時)だった日野原重明さんがいました。
そのとき脳裏に浮かんだのが、子どもの頃から習い親しんでいた聖書の一節でした。「マタイによる福音書」8章26節の「なぜ怖がるのか。信仰の薄い者たちよ」という言葉です。イエスがガリラヤ湖に弟子たちと釣りに行ったとき、にわかに暴風に襲われ、舟は波にのまれそうになりました。恐れおののく弟子たちをイエスがこう叱咤(しった)し、風と湖をなだめると嵐は静まったのでした。(「PRESIDENT」2011年12月5日号)