今日2月23日は中島みゆきの誕生日です。
7枚目のアルバム「生きていてもいいですか」(1980年)のタイトルにもなった歌詞がある7曲目「エレーン」は、彼女が麻布のアパートに住んでいた頃、同じアパートに住むヘレンという名の外国人娼婦の思い出が基になっているといいます。ある朝、無惨な全裸の惨殺死体でゴミ捨て場に遺棄され、犯人も見つからずじまい。
林晃三著『中島みゆき──歌でしか言えない世界』(叢文社)ではこのように解説されています。
その裏話を知った時、私は、すぐに新約聖書の中の「石で打たれる姦淫の女とそれを救ったイエスの話」を思い出した。……中島みゆきは、おそらく聖書の中のこの有名な話はよく知っていただろう。というのは彼女はカトリック系の札幌藤女子大学で4年間学んでいるからだ。
詩人の谷川俊太郎との対談の中で、「生きていてもいいですか」のアルバム名の由来について、谷川氏から聞かれたところ、「あたし、なにかと罪を重ねますから」などと答えている。
(その答えも誰もが知っているから誰も問えないという歌詞は)誰もが自らの罪を認めざるを得ないからこそ、「生きていてもいいですか」と、問うことができないのである。