日本聖公会東京教区 年末までに「パワーシフト」を完了 電力を自然エネルギーへ

キリスト新聞社ホームページ

日本聖公会東京教区は「各教会・礼拝堂の電力を、自然エネルギー、再生可能エネルギーへとシフトすることを目指し」、今年4月、「東京教区パワーシフト・キャンペーン」を開始した。

同教区が11月5日に発行したニュースレターによると、同教区事務所は電力会社「グリーンピープルズパワー社」を選び、パワーシフトを完了した。また、このキャンペーンのスケジュール案によると、同教区は12月末までに、「可能な限りの教会・礼拝堂がパワーシフトを完了する」という。

同教区はキャンペーンについて、①すべての被造物がいのちを大切にし合う世界へ、 ②二酸化炭素削減、 ③2020年10月日本聖公会第65(定期)総会で決議された「『原発のない世界を求める国際協議会』の声明に賛同する」という三つの観点に基づき開催するもの、と説明している。

「人間は生きるため、地球、宇宙のあらゆるものからエネルギーをいただいています。人間は歴史のなかで、そのエネルギーを得るために、自然を拓き、火力発電、原子力発電などを開発し、利用してきました」「しかし、今、この歴史の結果として、自然は破壊され、原子力発電は命に直接的な危険を及ぼす事故を起こしてしまいました。破壊へと繋がってきたこれまでの歩みは、すべての被造物を祝福した神の思いと反するものであったことを素直に認め、反省とともに、行動を新たにする必要があります」とした上で、「このような取り組みは、神からの命を大切にする教会こそが、率先して世界に訴えて来るべきことでしたが、残念ながらそうはなっていません」「むしろ、世界中の良き思いを抱いた人々により動きが起こっています。教会はその知恵と経験に学ばせていただきながら、遅まきでもこの取り組みを開始して参りましょう」と呼びかけた。

5月30日には国際環境NGO「FoE Japan」から講師を招き、パワーシフトに関する講演会を行った。日本では一部のキリスト教会やキリスト教団体が、1990年代から太陽光発電や風力発電による自家発電を行ってきたものの、同キャンペーンのように、原発や化石燃料を主力とする大手電力会社から新電力と呼ばれる電力会社へと契約し直すことで、再生可能エネルギーへと移行する教会の取り組みとしては、比較的新しいものといえる。

同キャンペーンについての詳細は以下。
https://www.nskk.org/tokyo/2021/04/30/7742
https://www.nskk.org/tokyo/

関連記事

この記事もおすすめ