最新の文化庁編『宗教年鑑』(2020年版)から、各教派の信徒数ランキングを見ていく。今回は7位から10位まで。ここから、戦後成長著しかった福音派の教団が登場する。
7位は日本同盟基督教団で、1万2661人(クリスチャンのうち約1・3%)。1万2349人(19年)、1万2455人(18年)、1万2463人(17年)と、増減を繰り返しているが、4年間では198人増えている。1986年には6944人(当時13位)だったところから5717人(約82%)も成長したが、ここ最近は横ばい傾向が続いている。教会数は253で、前年と同じ。
日本同盟基督教団は、日本の福音派(主流派が聖書を批判的に読むようになったのに対抗して登場した。キリストの処女降誕などの奇跡を歴史的事実として信じる伝統的な聖書解釈を強調するグループ)で代表的な教団。1952年に設立されたが、前身は22年に設立された日本同盟基督協会。1891年に来日した北米スカンヂナビアン・アライアンス・ミッションの宣教師の伝道によって始まった。
8位は日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団で、1万1695人(クリスチャンのうち約1・3%)。1万2248人(19年)、1万2269人(18年)、1万2749人(17年)と、ここ4年で1054人(8%)も減っている。理由は不明だが、2008年に4263人(約40%)の急激な増加があり、12年には『宗教年鑑』への報告がなく、その翌年、3104人(約22%)も減っている。1986年に6551人(当時14位)だったところから、現在は5697人(約87%)も増えているが、最近、減少傾向にある。教会数は166で、前年と変わりはない。
日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団はペンテコステ派(新生とは違う「聖霊のバプテスマ」を受け、異言を語ることを強調する)の代表的な教団で、JEAの会員。1949年に設立されたが、始まりは13年、米国アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団の宣教師の伝道による。
9位はイムマヌエル綜合伝道団で、1万1201人(クリスチャンのうち約1・2%)で前年と変わらない。1986年の1万2734人(当時6位)から1533人(約12%)も減り、ずっと減少が続いている。教会数は前年と同じ113。
イムマヌエル綜合伝道団は福音派で、ホーリネス系(きよめ派)の教団。日本ホーリネス教会の蔦田二雄(つただ・つぎお)が戦後すぐに創設した。
10位は日本キリスト教会で、1万834人(クリスチャンのうち約1・2%)。1万945人(19年)、1万1265人(18年)と、2年で431人も減っている。1986年に6045人(当時15位)だったところから4900人(約81%)も増えたが、実は1995年、「日本基督教会」から「日本キリスト教会」に改称した年を境に人数が倍以上(約217%)になっており、97年の1万3420人からは2586人(約19%)も減り続けている。教会数は前年と同じ136。
日本キリスト教会は改革長老系の教団で、1872年に設立された日本最初のプロテスタント教会、日本基督公会(現在の横浜海岸教会)の流れを汲み、「日本基督一致教会」(77年)、「日本基督教会」(90年)を経て、戦時中、日本基督教団に合同したが、1951年に一部の人々が離脱して「日本基督教会」として再出発した。
上記の数字で急激な増減がある理由として、会員総数(教会籍だけ残して、教会から離れている人も含まれる)から、現住陪餐会員数(毎週、礼拝に出席して、献金などの務めを果たしている信徒の人数)に途中で報告数を変更していることが考えられる(その逆も)。