世界地図を作った男は異端の疑いで投獄された?

おはようございます。
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◆1512年3月5日 ゲラルドゥス・メルカトルの誕生日

メルカトルさんは現在最も普及している地図の図法であるメルカトル図法を考案した人です。地球儀を発明したのもこの人です。ちなみに「メルカトル」というのはラテン語で「商人」という意味だそうです。14歳の頃に親を亡くして、その後は教会に引き取られて育ちました。教会って元々はこのように社会福祉の場でもあったんです。ルーヴェン大学というカトリック系の大学に入ると天文学と地理学を主に学びました。

それまでは地図といえば各地の部分的なものしかなく、世界地図というのはありませんでした。彼の発明した図法はその完成に大きく寄与しましたし、航海術にも大きな影響を与えました。彼がいなければ大公開時代はなかったかもしれません。で、下の写真が彼が作成した地図なのですが、日本がないのはご愛敬。しかたがないです、東の果ての国ですもの。
ところで、メルカトルさんはその生涯で7ヶ月ほど、教会に異端の疑いをかけられて投獄されていた時期があります。これを聞くと「教会は地動説だけでなく、地球が丸いという科学的事実さえ許さなかったのか。やっぱり教会は科学の敵だ」とか思ってしまいがちなのですが、地球が丸いということは教会もすでにアリストテレスの影響で認識していました。むしろ地球が丸いという事実はキリスト教と一緒に世界に広まったとさえ言えます。彼が異端の疑いをかけられたのは地図の作成が原因ではなく何か別の理由があってのことのようです。いずれにせよ大学からの説明で彼の疑いは晴れました。

それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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