今年は家族や気心の知れた友人と、自宅でクリスマスを祝うという人も増えているようだ。そこで今回は、そんな“おうちクリスマス”にぴったりの心温まる動画を紹介したい。
ニューヨークを拠点に活動するゴスペルシンガーの西村あきこさんと、韓国在住のピアニスト瓜生(うりゅう)恭子さんの2人によるアーティストユニット「The salt of the earth mission」による音楽劇「戦場のクリスマスキャロル」だ。本作は、第一次世界大戦中の1914年12月24日から25日にかけて起こった「クリスマス休戦」をもとに、瓜生さんが脚本を書き下ろしたオリジナルストーリーで、太平洋放送協会の谷川憲一さんが音響編集や編曲を担当している。
この日、ドイツ軍とイギリス軍の兵士たちが対峙(たいじ)していた激戦地では、小さな奇跡が起こったといわれている。どちらともなく歌い始めた「きよしこの夜」をきっかけに、兵士たちは手にしていた武器を置き、両軍の戦死者の遺体を回収して合同で埋葬式を行い、たばこやチョコレートを贈り合うなどしてクリスマスを祝った。中には、敵軍兵士と並んで写真を撮った人もいたという。しかし、戦場にそんな穏やかな時間が流れたのはひとときだけ。その後も戦争は1918年まで続き、1000万人以上の命が失われた。
この物語の主人公は、この大きな戦争から生き延びた一人の老人。教会へ向かう老人の手にはポインセチアの鉢。実はこのポインセチアは、クリスマス休戦の夜にドイツ軍の兵士から贈られた種が40年の時を経て花を開かせたものだった……。
一人の老人の半生を通してイエス・キリストの降誕と十字架の死、そして復活の喜びに焦点を当てた物語を、瓜生さんのナレーションとピアノ、西村さんの力強い歌声、そしてイラストレーターの小西由夏さんによるイラストが温かく彩る。
「私たちはクリスマスシーズンは例年、日本で公演を開催してまいりましたが、今年は韓国、NYからの帰国が叶いません。そんな中でもいつもお世話になっている皆さまに感謝の思いとクリスマスの喜びをお届けできないかと2人で話し合い、この動画が誕生しました。
この作品に取り組みたいと思った動機の一つは、私自身が暮らす異文化の国・韓国で、そこに暮らす方々の愛に触れたことです。コロナという閉鎖的な環境や、故郷に帰ることができない中でさまざまな苦しい経験もしましたが、韓国の方々の優しさや愛に満ちた言動や笑顔に触れ、深い感動を覚えました。それぞれの国、歴史、民族、さまざまなボーダーは設けられているけれど、愛や笑顔に言葉はいらない。みんな話す言語や身についた文化は違うけれど、同じ神様につくられた人間であり、同じ心で感じ、分かち合える存在なのだと感じたのです。このような時期こそ、私たちをつくられた創造主に目を上げ、その方が「死ぬため」に、「人に仕えるため」にこの地上に来て下さった生き方に倣(なら)う心を新たにできれば、と私自身も感じます」と瓜生さん。
西村さんも「イエス・キリストは、戦争で傷ついた兵士のように、自分自身の罪のせいで傷つき、憎しみや怒りで身を焼き尽くし、干からびた種のようになってしまった人間を癒し、再び希望の命に生かして下さる方。そしてイエス様がこの世に来てくださったのがクリスマスです。この動画を通して、この世界が勇気と喜びに満たされ、イエス様がひときわ輝いてくださいますように願っています」とコメントを寄せる。
クリスチャンにも、そうでない人にも、心に灯をともすこの動画。限定配信のため、観覧希望者は西村さんか瓜生さんの公式Facebookより申し込んで。