米ピュー・リサーチセンターは7月20日、「地球規模で神による分化」と題して、新たな報告を公表。それを受けて、露紙「ORTHODOX CHRISTTIANITY」が、各国における正教会の教勢・伸長について指摘している。
同紙によれば、「神について重く受け止める信仰」「宗教」「倫理道徳を持つために神が必要である」とする人々が、欧州ではとくにギリシア、または旧・共産主義国で増加傾向にある。この調査は、昨年、米ピュー・リサーチセンターが34カ国3万8千426人を対象に「神への信仰」「信仰と道徳の関係」「神と祈りの重要性」についてアンケートを実施したもの。
調査対象となった34カ国において、地域差は大きいが、中央値に位置する45%の人々が「道徳的であるために神を信じる必要がある」と回答。また同様に62%が「宗教は生活に重要な役割を果たしている」と答えた。とくにギリシアでは回答者の53%が、信仰と倫理道徳に関係性を見出している。ギリシアと同じ正教国であるブルガリア、ウクライナが僅差で続いた。一方、スウェーデンでは、信仰と倫理道徳に関係性を見出したのは、回答者の9%で、調査国内でもっとも低い数値を示した。
一方、イスラム教国インドネシア、カトリックが大多数を占めるフィリピンなどの国では、回答者の96%が道徳的であるためには神を信じる必要があると考えている。
ギリシアでは、回答者の30%が「宗教はやや重要」、50%が「非常に重要」としており、欧州でもっとも宗教の重要性を意識しているという結果が出ている。回答者の70%が「宗教を重要視」した米国に続いて、ブルガリア59%、ウクライナ60%、ロシア63%となっている。
「神の重要性」については、旧共産主義国であるロシア(16%増)、ブルガリア(14%増)、ウクライナ(12%増)で上昇し、最大の下降幅をみせたのは、伝統的にカトリックの強いスペイン(26%減)だった。
=「ORTHODOX CHRISTTIANITY」転載・翻訳許諾記事=
https://orthochristian.com/131979.htmlの抄訳
webサイト「orthchristian.com」は、ロシア・スレテンスキー修道院(創立1397年)が運営する正教会の情報サイト。モスクワ中央区ルビャンカ大通りに位置する。2017年にはプーチン大統領が見学のために訪問している。