2020年米大統領選、民主党候補者のキリスト教信仰

 

2020年の米大統領選挙で、民主党は予備選挙で公認候補を選出するが、現在出馬表明している候補者のキリスト教信仰を見ていこう。

コリー・ブッカー上院議員(写真:Lorie Shaull)

コリー・ブッカー上院議員(50)は現在、ニュージャージー州ニューアークのメトロポリタン・バプテスト教会の礼拝に出席している。宗教的な家庭に育ち、家族と共にアフリカン・メソジスト監督教会に通っていた。彼は主張する。

「教会員としての役割と市民としての役割を人々が分けて考えようとするとき、私はとてもがっかりします。それは真実ではありません。これ以上、自分の体を分けることができるでしょうか。教会とは、四方を壁で囲まれているところではなく、キリストの体なのです」

そして、「行いが伴わないなら、信仰はそれだけでは死んだものです」(ヤコブ2:16)を引用して、「ただ祈るだけではだめなのです」と訴えた。

エリザベス・ウォーレン上院議員(写真:Gage Skidmore)

エリザベス・ウォーレン上院議員(70)は合同メソジスト教会の会員で、教会学校の教師をしたこともある。ある集会では次の聖句を引用した。

「お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。……わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」(マタイ25:35~36、40)

そして、こう語る。「私たちは行動するよう召されています。ただ良い考えを持って、それを握りしめていればよいとは言われていません。誰も傷つけなかったから、それで大丈夫とも。あなたはのどが渇いている人を見ました。牢にいる人を見ました。彼らの顔を見ました。空腹の人を見て、そして行動に移すのです。私たちは行動することに召されていると私は信じています」

バーニー・サンダース上院議員(写真:Lorie Shaull)

無所属だが民主党執行役員のバーニー・サンダース上院議員(77)はユダヤ人であり、ユダヤ教の環境で育ったが、特に宗教的ではなく、定期的・積極的にシナゴーグに出席しているわけではない。ただ、妻がカトリックであることもあり、教皇フランシスコにたいへん共感しており、経済的な考え方は非常に近く、教皇を「信じられないほど賢く勇敢」と評価している。

フリアン・カストロ元住宅都市開発長官(写真:Lorie Shaull)

フリアン・カストロ元住宅都市開発長官(44)は、代々カトリックの家庭に育ち、家の近くにあるグアダループ・カトリック教会(テキサス州サンアントニオ)で幼児洗礼を受けた。

「カトリック教会は多くの点で、テキサスのような場所に来て厳しい生活を送っていたメキシコ人移民の避難所でした。私の祖母は低所得世帯で育ち、多くのことで苦労してきたのです。だからカトリック教会は彼らに、居場所と帰属意識、そして希望を与えました。物事が良くなるという信仰です」

ピート・ブーテジェッジ市長(写真:Gary Riggs)

インディアナ州サウスベンドのピート・ブーテジェッジ市長(37)は現在、米国聖公会の聖ジェームズ大聖堂(同市)の会員。父親はノートルダム大学教授になる前にはイエズス会の司祭になるために勉強したほどだったので、彼もカトリック教会で幼児洗礼を受け、カトリックの学校に通っていたが、自分がカトリックだという自覚はなかった。しかし、オックスフォード大学に通っている間にクライストチャーチ大聖堂(大学礼拝堂)に自覚的に出席し始め、帰国した時には多かれ少なかれ自分は聖公会のクリスチャンだと意識するようになったという。

雑賀 信行

雑賀 信行

カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。

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