今日8月8日は星野道夫が亡くなった日です。1996年にカムチャッカ半島でヒグマに襲われ、43歳で亡くなるまで、アラスカをテーマに、自然や野生動物の写真を撮り続けました。現在、残された作品の数々は、星野道夫事務所で妻の直子さんが管理しています。
二人はキリスト教を通して出会いました。きっかけは、直子さんが両親と一緒に通う教会の牧師夫人が星野さんの姉で、「弟に会ってみませんか」と言われたことでした。17歳という年の差結婚から、わずか5年半の結婚生活。アラスカの友人に「ナオコはクマを許すことができたのか」という問いかけに、「クマを許せないと思ったことはない」と直子さんは答えます。「なぜなら、……道夫さんの表情には、苦痛の影が少しもなかったから……とても静かな顔でまるで眠っているようだったから」(『星野道夫と見た風景』新潮社)。