2017年の第48回衆院選を前にして、民進党のリベラル系議員を中心に結党された立憲民主党。その選挙で55議席を獲得し、野党第1党になった。党首は枝野幸男(えだの・ゆきお)氏(埼玉5区、9期)。現在、所属の国会議員は、衆議院議員には55人で衆院全体の12%(比較として自民党は284人で61%)、参議院議員は24人で10%(122人で50%)。
今回の第25回参院選(21日投開票)で立候補者は、選挙区で20人、比例代表で22人の計42人。公示時改選は9議席だが、反自民勢力が投票して倍増するのではないかという予想もある。
比例代表に初出馬する有名人は、元格闘家の須藤元気(すどう・げんき)氏や元モーニング娘。の市井紗耶香(いちいさやか)氏、ボーカル・グループ「RAG FAIR」の元メンバーの奥村政佳(おくむら・まさよし)氏、よしもと芸人のおしどりマコ氏、「筆談ホステス」として知られる前東京都北区議の斉藤里恵(さいとう・りえ)氏。
アナウンサーでは、宮城選挙区の石垣(いしがき)のりこ氏、山形選挙区の芳賀道也(はが・みちや)氏、兵庫選挙区の安田真理(やすだ・まり)氏と比例区の白沢(しらさわ)みき氏がいる。情報番組にコメンテーターとして出演する弁護士の亀石倫子(かめいし・みちこ)氏は大阪選挙区、FM会津パーソナリティーの水野(みずの)さちこ氏は福島選挙区。
東京選挙区の塩村文夏(しおむら・あやか)氏は、20代で「恋のから騒ぎ」に出演し、東京都議会議員時代はやじ問題で注目を浴びたが、2017年衆議院選では無所属で出馬して落選。滋賀選挙区の嘉田由紀子(かだ・ゆきこ)氏は、滋賀県知事だった12年に日本未来の党を結成。17年の衆院選でやはり無所属で出て落選した。
ちなみに、立候補した女性の多さでは、立憲民主党は19人(男性23人)と、共産党の22人に次ぐ(自民党は男性70人に対して女性12人)。
静岡選挙区から出馬する徳川家広(とくがわ・いえひろ)氏は徳川宗家19代目。旧幕府軍を倒して明治新政府に入った長州、山口出身の安倍晋三首相との対立構図を歴史好きは見るかもしれない。
現職では、元薬害エイズ訴訟原告だった川田龍平(かわだ・りゅうへい)氏も立候補している。
立候補者の中にもクリスチャンはいる。神奈川選挙区(2期)の牧山弘恵(まきやま・ひろえ)氏は、教会付属の幼稚園に入ったことがきっかけで教会学校に通うようになった。教会籍については明らかにしていない。国際基督教大学卒業。
山梨選挙区(新人)の市来伴子(いちき・ともこ)氏は、日本基督教団・延岡使徒教会(ホーリネスの群)の市来章三牧師の娘。母親は付属の土々呂幼稚園の園長をしていた。関西学院大学神学部卒業、同大学院神学研究科修了。神学部の学生時代、日本基督教団・西宮公同教会に通っていた。平和を実現するキリスト者ネットのメンバー。
比例区(茨城選挙区2期)の藤田幸久(ふじた・ゆきひさ)氏は日本基督教団・滝野川教会会員。2006~09年まで、滝野川教会とつながりのある聖学院大学で非常勤講師を務めた。30歳の時、国際ボランティア活動の中で、ローマの長老教会で洗礼を受ける。1996年の衆院選に民主党から出て初当選。2000年の衆院選では落選。03年の衆院選では返り咲くが、05年の衆院選で落選。07年に参院に鞍替えして茨城選挙区で当選。13年の参院選でも当選し、16年に民進党、18年、国民民主党、19年、立憲民主党に。今回の参院選では茨城選挙区には新人を擁立し、自身は比例区に。
立憲民主党の衆議院議員にもクリスチャンはおり、2017年の衆院選で初当選した埼玉3区の山川百合子氏は日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団草加神召キリスト教会員。
神奈川4区で同じく初当選した早稲田夕季(わせだ・ゆき)はカトリック雪ノ下教会の会員。
民主党代表を務めた東京1区の海江田万里(かいえだ・ばんり)氏は、母親がカトリック信者であったことから、幼い時から教会付属の幼稚園に通い、洗礼を受けている。海江田氏は、税金党党首(当時)の野末陳平氏(95年に参議院議員を引退したが、今回の参院選で東京選挙区に無所属で立候補している)の秘書を経て経済評論家となり、93年、第40回衆院選に日本新党から出馬して初当選。
ちなみに枝野幸男氏は、昨日の「自民党」の記事の最後に紹介した尾崎行雄から名前がつけられた。立憲民主党を立ち上げる直前、枝野氏は次のようにツイートしている。「今日は父方の祖父の命日です。祖父は、私が小さい時に亡くなりましたが、私の名付け親でもあります。幸男の『ゆきお』は、祖父の尊敬していた憲政の神様こと尾崎行雄(咢堂)にあやかったとのことで、子どものころ、良く聞かされました。私が、政治に関心を持った原点です」(2017年8月13日)。党名にもそれが反映しているのかもしれない。