Q.両親ともにクリスチャンですが、それぞれ違う教会に通っています。子どもとしてはどちらに行くべきか悩んでしまいます。(10代・女性)
ご両親はどんなご意見なのでしょうか。そしてあなたは? 悩んでいるということは、三者の意見が一致していないのかもしれませんね。あなた自身の思いや考えを整理して「自分がどうしたいか」をまず明らかにすることが重要です。そのために両方の教会を訪れ、教会の場所・礼拝の時間や雰囲気・説教の内容・同年代の人がいるかいないかなどについて比較してみてはどうでしょう。
10代のあなたは親からの自立という課題を抱えています。この問題を通して、自ら羽ばたく練習をしているのだと思います。また、「どうすべきか」の前に「どうしたいか」という視点を持つことは、人の心理的成長だけでなく健全な信仰にも欠かせないポイントです。神さまは私たち一人ひとりをユニークな人格として造られました。「他にない私」として存在するということは、「私らしい願い・望み・好み」があるということなのです。
もしかしたら、どちらの教会へ行くかという悩みの奥に、両親が別々の教会に通っていることで何らかの困惑や悲しみなどの感情があなたの中にあるのかもしれません。その場合も、まずあなた自身の気持ちに気づくことが大切です。誰か、たとえば両方の教会の牧師や牧師夫人に悩みを打ち明けてみるのもいいのではないでしょうか。私たちは互いに関わり合う存在としても造られました。話すことによって気づくこともあるでしょう。
もう一つ、私たちに関するすべてのことについて関心を持っておられ、ご計画を立ててくださっている「神のまなざし」を心に据えることです。神さまはあなたがどの教会へ行けばよいかということにも答えを持っておられる方です。自分の願望を明らかにすることや、他者の意見に耳を傾けること以上に、神さまのご計画の中に生きることが私たちの幸なのです。「あなたが右に行くときも、左に行くときも/あなたの耳は、背後から/『これが道だ、ここを歩け』と語る言葉を聞く」(イザヤ書30章21節)
もり・まゆみ 臨床心理士、スクールカウンセラー。大学で聖書神学を学んだ後、英国留学、私立中高聖書教員等を経て臨床心理学を学ぶ。これまで主に教育分野でカウンセラーとしての経験を積む。クリスチャン·メンタルケアのあり様を模索している。