4月23日「わたしたちの人生のリアリティー」

 エレミヤが神を知る前に、神がエレミヤを知っていた。「胎内であなたを形作る前から、わたしはあなたを知っている。」これは、わたしたちがこれまで神について考えていたことを全て覆すものである。わたしたちは「わたしたちが神について疑問に思う」と言って、神を検討対象と考える。好奇心の対象として神を見る。神について色々な問いを立てて、神についての本を読む。深夜、神についての自由討論にのめりこむ。神について起こっていることは何であるかを見ようと、時々、教会に立ち寄る。神への畏敬(いけい)の念を育むために、時折、夕焼けをうっとりと眺め、交響曲の響きに心が洗われる。

 神と共にある人生のリアリティーは、そのようなものではない。わたしたちが神について問う遥か前から、神はわたしたちに問うていたのだ。わたしたちが神という対象に興味を持つずっと前から、神はわたしたちを対象として、徹底的に探り知ろうとしていたのだ。わたしたちが「神は重要であるかもしれない」と思いつく遥か前から、神は「あなたは重要だ」と、わたしたちを選び出したのである。わたしたちが胎内で形成される前に、神はわたしたちを知っていたのだ。わたしたちが神を知る前に、わたしたちが神に知られていたのである。

それはさながら 開かれた本
全てはそこに明らかで
受胎した あとの時 すでに
わたしは御目に見つめられ
無事に生まれたあの日にも
あなたはわたしを見守っていた。
それはさながら 広げられた
全ては一望俯瞰され
わたしの日々の
  一つひとつの すべてにわたり
わたしが生まれる最初の日には
備えのすべてが 整えられた。
―― 詩編139編16節

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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