中国山西省にある臨汾聖約家園教会(カベナント・ハウス・チャーチ)の3人の指導者が、約1500万円(約78万元)の違法な収入を得ていたとして告発された。同教会によると、李潔=写真=、韓暁東、王強の3氏は、国の承認なしに違法な組織を設立し、運営した容疑で起訴された。 「プレミア・クリスチャン・ニュース」が報じた。
中国では一般的に、家の教会は政府の許可を得られず、違法と見なされている。多くの教会が認可を得ない理由は、監視に服したり中国共産党に忠誠を誓うなど、政府の統制に対する懸念があるからだ。
李潔氏と韓暁東氏は2022年8月の教会襲撃後に拘留され、三日三晩、睡眠を剥奪される刑に服した。2人は翌9月に正式に逮捕され、王強氏は同年11月に拘留、12月に逮捕された。
「キリスト教連帯世界(CSW)」と「チャイナ・エイド」の報告によると、カベナント・ハウス・チャーチのメンバーは逮捕後、地元当局から繰り返し嫌がらせや強要、脅迫を受け、時には偽の証拠を提出させられたり、教会の礼拝への出席を止めさせられたりした。
教会は「執り成しの手紙」の中で、指導者たちが訴追されたことを非難し、次のように述べた。「憲法によって保護されている市民の宗教的信仰が、宗教的おとり捜査と詐欺に変えられている」。さらに、3人の無事と釈放を祈るよう呼びかけ、臨汾検察が1949年の中国建国以来、前例のない動きで「神を畏れる教会」を「犯罪集団」と決めつけたと強調した。
2018年2月、中国は宗教活動に対する国家統制を強化するため、宗教団体の登録要件や基準を盛り込んだ『宗教事務条例』を改定。告発された指導者の一人である李傑氏は、この改定を批判する共同声明の署名者だった。同声明のもう一人の署名者である秋雨聖約教会の王怡牧師は2018年12月に拘束され、その後「国家権力転覆扇動罪」と「違法なビジネス活動の罪」で懲役9年の判決を受けた。
近年、「詐欺罪」で起訴される宗教指導者の数が激増しており、10年以上の刑が科されることもある。
CSWの創設者であり会長であるマーヴィン・トーマス氏は、今回の摘発を「明らかに不当なもの」と非難し、「国際社会はあらゆる機会で、中国政府に対し、信教の自由のため平和的に立ち上がる宗教者を起訴することをやめるよう働きかけるべき」と訴えた。
(翻訳協力=中山信之)