Q.教会のホームページで、教会員の名前や顔写真を載せても問題ありませんか?(30代・教会役員)
最近は、どこの教会でもホームページを作っているようです。また伝道のツールとして、今ではなくてはならないものになりました。それだけに、その取り扱いには注意が必要です。
ご質問に対する回答としては、教会員それぞれの了解があれば結構ですが、了解なく顔写真や、名前など、個人を特定できる情報を公開することは、プライバシーにかかわることなので避けるべきでしょう。
特に名前などは、インターネットの検索機能で教会のホームページにつながると、その方の信仰が披歴されることになります。かくいうわたしも、「キリスト新聞」のホームページから信仰がバレ(?)ました。信仰は「心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われる」とパウロはローマの信徒への手紙で述べていますが、それは自らの信仰的決断にゆだねられるもので、そこに意味があるのでしょう。
他方、写真ですが、教会関係者でない一般人がホームページを見て、「あの人だ」とわかることはまれでしょうが、現実にこんなことがありました。
ある人が、旅行を計画して観光地の情報をインターネットであれこれ検索していると、友人の婚約者によく似た男性が別の女性と観光先のイベントに参加している写真を見つけました。まさか当人とは思わず「あなたの彼にチョー似てる!」とコメントをつけて友人に画像を送信したところ、はたして、彼本人だったのです。結局、婚約は破棄となりました。結果的に良かったか悪かったかは別として、インターネット恐るべしです。
教会と観光旅行とを一緒にするわけではありませんが、バザー、クリスマス礼拝、また、結婚式などの行事をホームページなどに載せる時は、一人ひとりの顔でなく、全体の雰囲気が伝わるような写真を工夫することが大事です。どうしても個人が分かる写真の時は、了解を得てはどうでしょうか。
*本稿は既刊シリーズには未収録のQ&Aです。
おおしま・ゆきこ 弁護士。1952年東京生まれ。72年受洗。中央大学法学部卒業。84年に千葉県弁護士会へ登録。渥美雅子法律事務所勤務を経て、89年に大島有紀子法律事務所主宰となり現在に至る。日本基督教団本所緑星教会員。