日本基督教団の石橋秀雄総会議長=写真=と在日大韓基督教会の趙永哲総会長は連名で7月29日、2021年の平和メッセージを発表した。
メッセージでは、「今の日本は、平和的生存権が脅かされ、格差社会の増幅に歯止めを掛けることすら出来ておりません」と述べ、格差社会は「人権としての平和」を脅かしているとして、「人々の命が守られ、安心して暮らすことのできる平和な社会の実現」を祈り求めた。
その上で、難民・在日外国人の人権の問題について、入管法の根本的改正を求め、ミャンマーの人権問題については、日本政府が人権侵害に対して確固たる態度をもって対応することを求めた。
また、日本の原子力政策について、原発の稼働停止とエネルギー政策の転換を求め、ALPS処理水の海洋放出に反対。沖縄の米軍基地問題については、日本政府に対し、「辺野古新基地建設に反対の声を上げ続ける沖縄の人びとの怒りと悲しみの声を真摯に聴くべき」「沖縄の人びとの生活と人権が守られるように責任を果たすべき」だと訴えた。
さらに、ヘイトスピーチ解消法について、罰則規定を盛り込んだ法改正を求め、社会から民族・人種差別がなくなることを願って、人権啓発活動を実施していくことを誓った。
最後に、近年の日韓関係の悪化は、アジアにおける平和構築に大きな障害となっているとし、「冷静な目をもった対話的な平和外交の道」を切望。そのために、「日韓のキリスト教会が祈りを合わせ、和解と平和をめざす誠実な歴史認識の共有、相互交流、宣教協力の道を、いっそう力強く推進して行きます」と締めくくった。