Q.夫婦で牧会をしているのですが、子育て中のためほとんど奉仕できず悩んでいます。(30代・女性)
子を持って初めて親のありがたみがわかると言われますが、人一人育つのにどれだけ親の労があることでしょう。子育てとは、特に未就園児をもつ親は、24時間フル稼働で一瞬も目を離せない日々の連続です。この時期に子育て以外の働きをするのには、子どもの就眠中の時間を使うか、誰かに子どもを預けるしかありません。その預ける先の保育園は、空きを何百人も待っている状況です。
ところでご質問者は夫婦で牧会者とありますが、奉仕ができないと悩んでおられるのは女性ですね。同労者であり子育ての責任を共におっている夫はどう考えておられるのでしょうか? 同じ召しを受けた者としての共働きの体制(働き・子育て分担)が築き上げられることを期待しています。夫婦で牧会をしているある女性に「先生の関係している神学校では、献身者同士の結婚は共働きで、女性も同じ召しを受けている者として仕事ができるように、男性陣への教育がありますか?」と聞かれました。子どもを産み、育てにくい日本からの脱却を目指して叫ばれる、男女共同参画が教会の中にも必要とされていることでしょう。
しかし、そのような役割分担が難しい牧師夫婦もあります。わたしも、3人の子を抱え、牧師業ができない焦りの時期がありました。しかし、その葛藤の中で、子を愛し育てる母として召されていることに気付きました。そのときは、その召しに応えるのが精一杯でした。今ふり返ると、「人を育てる」というすべてに通じる貴重な訓練を与えられていたのです。
その後、伝道牧会は神の導きの中で自然と開かれていきました。転任直後見知らぬ地で、小1、幼稚園児、3カ月の子を連れて、公園デビューしたその日に出会った母子から、開拓の予想外のミニストリーが始まりました。今与えられている母としての召しを大切にしつつ、すべてのチャンスを用いられる主の働きかけに期待しましょう。子育てしながらでなければできない働きがあるのです。
にしおか・まりこ 東京聖書学院、タルボット神学校(結婚・家族ミニストリーの修士)卒業。日本ホーリネス教団川越のぞみ教会で夫と共に牧会。結婚カウンセリング 「プリペアー/エンリッチ」の日本推進委員。ファミリー・フォーラム・ジャ パン評議員、臨床牧会研究会・結婚カウンセリング部門担当委員、3人娘の母。