カナダ中部サスカチワン州カウェセス発AFP通信によると、ジャスティン・トルドー首相=写真=は7月6日、墓標のない墓が数百基見つかったカウェセスにあるカトリック寄宿学校跡地を訪問した。学校跡地から見つかった墓や遺骨は、寄宿学校で生活していた先住民の子どもたちのものだった。
トルドー首相は同日、児童福祉に関する権限を連邦政府から先住民に戻すことを定める協定に署名した。署名を前に「ここカウェセス、そして全国で、寄宿学校をめぐる有害な政策によって子どもたちが命を落とした。これは恥ずべきことだ」と語った。
先住民団体「カウェセス・ファースト・ネイション」のカドマス・デローム代表らとも面会したトルドー首相は、墓が見つかった場所に足を運び、テディベアを手に亡くなった子どもたちを追悼した。
カナダでは1990年代までに、先住民の子ども約15万人が強制的に国内139カ所の寄宿学校に送られ、家族や母語、先住民文化から引き離された。寄宿学校では子どもたちに対する劣悪な待遇や性的虐待が横行し、4000人以上が死亡したとされる。