国軍による弾圧が続くミャンマーの平和を願い、非暴力で訴える市民を支援しようと、全国各地の宗教者や在日ミャンマー人らが6月24日、東京・港区の浄土真宗光明寺を主会場としてオンラインによる「祈りと連帯の集い」を開催した。主催はカトリック・プロテスタントのキリスト者有志、仏教各宗派有志による「ミャンマー 祈りと連帯ネットワーク」。参加者所属教団・団体は、日本カトリック正義と平和協議会、日本キリスト教協議会、浄土宗、真言宗豊山派、浄土真宗本願寺派、平和をつくり出す宗教者ネット、キリスト者平和ネット、マイノリティ宣教センターなど多岐にわたった。
集会は、広島の原爆ドーム前から、仏教、キリスト教による祈りと呼び掛けで始まり、10のグループによる祈りのリレーが鹿児島、福岡、神奈川でも同時中継された。
2月以来、継続してミャンマーの平和を願う「祈り会」を開いてきたマイノリティ宣教センター共同主事の渡邊さゆり氏は、写真を交えながら多くの犠牲者を生み出している現地の様子と市民による抵抗運動について報告し、「軍の暴力による死者は900人とされているが、空爆による犠牲者を含めれば数え切れない。たとえ逃れられても、飢餓やコロナ禍の危険にさらされる難民も多い」「在日ミャンマー人が安心して日本で暮らせるように、活動する人々の声に耳と心を開き、一緒に祈っていると表明することが必要」と訴えた。
続いて西南学院神学部、日本バプテスト神学校に在学する神学生やイスラム教徒、1988年のクーデターで逃れたミャンマー人との出会いを機に、30年余の交流があるという日本バプテスト同盟関東学院教会牧師の髙橋彰氏も祈りをつないだ。
ミャンマー出身のマキン・サンサン・アウン氏(日本バプテスト同盟杉並中通教会牧師)は、「疲れた時に休める場所、爆発や銃撃の音がない安全な場所がほしい」という難民たちの切実な声を紹介。カトリック築地教会主任司祭のレオ・シューマカ氏は、国軍の前に身を挺してひざまずく姿が報じられたアン・ヌ・タウン修道女に触れ、後に「私たちは民衆と苦しみを共にする」と語った彼女の勇気を称えた。
集会の最後には、主催者が起草した祈りを参加者が朗読。ミャンマーの風習である「鍋叩き」に倣って連帯の意を表した。