「賛美歌工房」が2冊目の歌集 神学的、文学的な批評に課題

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日本語による「新しい礼拝会衆賛美歌」の創作を目指す超教派グループ「賛美歌創作の会」(愛称「賛美歌工房」、海老原直秀代表)が今年4月、2014年以来2冊目となる歌集『賛美歌工房歌集Ⅱ』(B5判、120頁)を発行した。

賛美歌工房は、日本人の作詞・作曲によるオリジナルの賛美歌を作詞、作曲することを目的として2010年3月に発足。都内で毎月1回続けてきた例会も今年で90回を超えた。『歌集Ⅱ』には新たに、会員が持ち寄り、研究討議を重ねた中から55曲を収録した。

作詞は前田豊(日本キリスト改革派教会引退牧師)、荒瀬牧彦(カンバーランド長老キリスト教会あさひ教会代務者)、望月麻生(日本基督教団足利教会牧師)の3氏。作曲は同会メンバーの高浪晋一(日本キリスト教会世田谷千歳教会員)、海老原直秀(カンバーランド長老キリスト教会高座教会員)、小室典子(イエス・キリストもみの木教会員)、土井康司(日本同盟基督教団下北沢教会員)、岸一隆(日本基督教団阿佐ヶ谷東教会員)の各氏が担当した。

さまざまな作品が収められており、これまでの賛美歌には見られないスタイルの歌詞や音楽も見られる。また、同一の歌詞による異なる作曲者の作品も収録されており、同じ歌詞でも、異なる曲でその違いを味わえるという趣向も凝らされている。

代表の海老原氏は、「神から人へ、人から神への相互作用からなる礼拝において、神への賛美、感謝、信仰告白、祈りを捧げる手段として、会衆賛美は重要な役割を果たしている」とした上で、「今までの翻訳歌のみならず、現代の会衆にとって歌いやすく、美しい音楽と日本語による歌詞が求められる」と話す。

2000年以後、各教派が使用する賛美歌の改定版が相次いで発行され、全国の教会でそれらが使用されてきたが、日本バプテスト連盟の「新生讃美歌」(2003年発行)を除き、どの賛美歌でもオリジナルの作詞・作曲による作品は極めて少ない。他方、ワーシップソングなど、ポップス風の歌を会衆賛美に用いる教会も増えてきており、それらについての神学的研究討議が必要とされている。

「賛美歌工房」の当面の課題は、作詞者および歌詞について批評、助言のできる人材の不足。設立当初、礼拝学の観点から指導を仰いだ今橋朗氏が亡くなって久しく、頼れる「助言者」を欠いたまま今日に至る。「神学的、文学的、音楽的、総合的に研究討議するという面が充分になされてきたとは言い難い。仲間内だけの閉ざされた趣味の創作グループ活動のような状態に留まり続けることが危惧される」と海老原氏。

今年は会員の多くが所属する「日本賛美歌学会」も20周年を迎えた。コロナ禍でさまざまな制約を受けた賛美歌のあり方についても、改めて検証の余地が残されている。今後、音源のオンライン上での公開、聴衆と共に歌う集会の企画、実践など、検討すべき問題も山積み。休会していた例会は、6月からようやくオンラインで再開される見通しだ。

歌集『Ⅱ』の序文には、こんな決意が記されている。「礼拝会衆賛美にふさわしい詞が書かれ、日本語の歌詞が自然で歌いやすいメロディーとリズムによる歌に作曲されて、会衆が心から生き生きと主なる神への賛美をささげていく、そのような礼拝へと導かれていくことを願い、私たちは今後も努力を続けてまいります」

『賛美歌工房歌集Ⅱ』は1千円(税込)。申し込み、問い合わせは「賛美歌工房」(Eメール=hymn.koubou@gmail.com)まで。

日本人による礼拝会衆賛美歌を 「賛美歌工房」が初の歌集を発行 2014年10月11日

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