キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の3大宗教を結ぶ「一つの家」構想が、ベルリンで進んでいる。この「宗教間プロジェクト」は、すでに個人や企業、国レベルまで様々な寄付者からの支援を受けているだけでなく、独政府内務省と環境省が1000万ユーロ(約12・5億円)支援し、ベルリン市、欧州連合大学エラスムス・プログラムなどの公的機関、シンクタンク、財団などもスポンサーになる見込み。欧州情勢をキリスト教の視点で注視する『エバンジェリカル・フォーカス』が報じた。
構想のシンボルと言える建築「一つの家」が2023年完成すると、教会、シナゴーグ、モスクが皆、中央のロビーで結ばれる。
「一つの家」理事会は、現ベルリン市長ミヒャエル・ミュラー氏、元ドイツ連邦大統領クリスティアン・ヴルフ氏、ドイツ連邦自動車道路局長のグンター・アドラー氏と言った有力者で構成されている。3宗教の神学者や霊的指導者もこの「宗教間プロジェクト」に参加している。
最初の活動は、平和のための宗教間の祈りのイベントと、宗教間の一致を目指す指導者たちのオンラインワークショップが検討されている。ヴルフ氏は、教皇フランシスコが10月発表した回勅「フラテッリ・トゥッティ」に言及し、「教皇は、神がどの宗教に属していようと、すべての人を愛していることを暗示している」と述べた。
この「宗教間プロジェクト」は、「社会、家庭、学校、企業で、何世紀にもわたって慣習化されてきたような宗教ではなく、それらを超えたより大きな多様性の中で形成される役割を果たす」ことを目指している、と言う。(CJC)