教皇が新枢機卿13人を指名 米国出身の大司教は初 2020年10月27日

キリスト新聞社ホームページ

教皇フランシスコは10月25日、サン・ピエトロ広場を訪れた人々に、日曜恒例の「正午の祈りの集い」を行っている際に、来る11月28日に枢機卿会議を招集する旨を告げ、それと共に新しい枢機卿13人の名前を発表した。ロイター通信などがローマ発として速報した。13人の内9人は、教皇の死去または退任後の後継者を決める選挙「コンクラーベ」で投票する資格がある。残りの4人は、教会に対する長年の貢献を理由に選出されており、80歳以上であることから投票の資格はない。

13人の出身国は、イタリア、マルタ、ルワンダ、米国、フィリピン、チリ、ブルネイ、メキシコの8カ国にわたっている。その中の1人、米首都ワシントンのウィルトン・グレゴリー大司教は、5月のジョージ・フロイド氏死亡事件を受け、米国内における人種間の緊張緩和に向け対話を呼びかけたほか、トランプ大統領がワシントンのカトリック教会を撮影場所に使用した件で間接的に大統領と対立した。

ルワンダとブルネイからの選出には、カトリック教徒の少ない遠隔地域における教会の権限拡大推進を目指す教皇の政策を反映、またチリからあえてスペイン人を選出した選択には、高位聖職者の性的虐待問題に揺れる同国のカトリック教会を外国人の関与により再興しようとする意図が感じられる。

公設バチカン・ニュースは、新しい枢機卿13人の名前を次のように報じている。

【80歳未満の有権枢機卿】
▽マリオ・グレック司教=シノドス事務局・事務局長(マルタ、63)
▽マルチェッロ・セメラーロ司教=列聖省長官(イタリア、72)
▽アントワーヌ・カンバンダ大司教=ルワンダ・キガリ大司教(ルワンダ、61)
▽ウィルトン・グレゴリー大司教=米国・ワシントン大司教(米国、72)
▽ホセ・アドヴィンクラ大司教=フィリピン・カピス大司教(フィリピン、68)
▽セレスティーノ・アオス・ブラコ大司教=チリ・サンチアゴ大司教、カプチン・フランシスコ修道会(スペイン、75)
▽コルネリウス・シム司教=ブルネイおよびクアラルンプール代牧(ブルネイ、75)
▽アウグスト・パオロ・ロユーデチェ大司教=伊・シエナ‐コッレ・ヴァル・デルサ‐モンタルチーノ大司教(イタリア、56)
▽マウロ・ガンベッティ神父=コンヴェンツァル・聖フランシスコ修道会、アッシジ・聖フランシスコ修道院院長(イタリア、54)

【80歳以上の枢機卿】
▽フェリペ・アリスメンディ・エスキヴェル司教=メキシコ、サンクリストバル・デ・ラス・カサス名誉司教(メキシコ、80)
▽シルヴァーノ・マリア・トマーシ大司教=教皇大使(イタリア、80)
▽ラニエーロ・カンタラメッサ神父=教皇付説教師、カプチン・フランシスコ修道会(イタリア、86)
▽エンリコ・フェローチ=ローマ教区サンタ・マリア・デヴィーノ・アモーレ主任司祭(イタリア、80)

By DC-wiki-2020 – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=95507942

この記事もおすすめ