12月12日 ヨハネ黙示録21章1節

わたしはまた、新しい天と新しい地を見た。最初の天と最初の地は去って行き、もはや海もなくなった
ヨハネ黙示録21章1節(参照箇所同書21:1〜2)

 

地上の世界には終わりがあるけれども、今や新しい世界が始まっているではないかと知らせます。もしすべてのものに終わりだけしかないのなら、志を遂げずして世を去った人、あらぬ誤解を受けたまま人生の幕を閉じねばならなかった人、真っ正直に生きたのに、この世で一切報われることなく、死んでいった人、このままではやりきれないほどの思いを抱えて人生を終わらねばならなかった人はどうなるのでしょう。答えはまったくないのかと、神を恨めしくさえ思いたくなります。

「わたしはまた、新しい天と新しい地を見た」とは、神はわたしたち問いをそのままにしておかず、新しい世界が御心によって整えられるとの約束です。ヨハネは、「神は自ら人と共にいて、その神となり、彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる」(3節以下)と言います。わたしたち問いは、その新しい世界の中に「涙を拭い取ってくださる」との答えを持つのです。まさしく牧会の慰めというべき答えです。

教会は、その「新しい天と地」のこの地上における先取りの姿であることを知るなら、その慰めは教会の中にあります。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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