あなたは年が若いということで、だれからも軽んじられてはなりません。
テモテへの手紙一4章12節(参照箇所同書4:11〜16)
テモテがパウロの同労者として教会の指導者となったときは、おそらく30歳にはなっていたと思われます。そのテモテに、「年が若いからということで・・・」と言うからには、教会を構成する人たちが高齢者であったことが想像されます。とく教会の指導的立場にある人たちは、テモテよりも年配の人たちであったのでしょう。
年が若いとされるテモテが、信仰暦も長く、人生経験も豊富な人たちを相手に伝道し、牧会をすることには、相当の苦労があるとは、今日の教会の状況にも当てはまるものがあります。このテモテにパウロは、「聖書の朗読と勧めと教えに専念しなさい」(13節)と教えました。聖書に通暁(つうぎょう)しなさいということです。聖書を知ることは、人生を長く生きたかどうかとは関わりがありません。伝道と牧会の責任を果たそうとすれば、聖書を知らないでは何ごともできないからです。
さらにパウロは言いました。「あなたのうちにある恵みの賜物を軽んじてはなりません」(14節)。聖霊による賜物が教会の指導者たらしめていることへの自覚を促しているのです。このパウロのテモテへの勧めは、信徒の側へも若い伝道者を迎えるときの心構えをつくるものでもあります。