11月2日 エフェソの信徒への手紙6章11節

悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。
エフェソの信徒への手紙6章11節(参照箇所同書6:10〜20)

 

中世には、黒い悪魔と白い悪魔がいたようです。黒い悪魔は、それこそわたしたちがイメージする悪魔のようなもので、盗みなさい、嘘をつきなさいなどと即座に悪いことだと分かるような誘惑をするのです。悪いと分かれば、それを避ける方法もあろうといみもので始末をするのにそれほど困ることはありません。始末に困るのが、白い悪魔です。白い悪魔は、上手に誘惑をします。「あなたはとても信仰深いクリスチャンだ」と言うかもしれません。「あなたはだれよりも聖書に詳しい」、「だれよりも伝道熱心だ」と自尊心をくすぐるようなことを言うかもしれないのです。人はこの手の誘惑には大変弱いのです。自分自身も含めて、白い悪魔の誘惑に負けた人はかなり大勢いるのではないでしょうか。

だからこそ、「神の武具を身に着けなさい」とパウロは言います。最強の神の武具はキリスト御自身です。ルターは「キリストは悪魔の悪魔となられた」と言います。悪魔にとってこれほど強力な敵はいないからです。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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