主はサムエルに言われた。「容姿や背の高さに目を向けるな。わたしは彼を退ける。人間が見るようには見ない。人は目に映ることを見るが、主は心によって見る。」
サムエル記上16章7節(参考箇所同書16章1〜13節)
サウルを退けたサムエルは、後継者たる王を選ぶため、ベツレヘムにエッサイを訪ねました。サムエルはエッサイの子らのうち、エリアブに目を止め、彼こそ王にふさわしいと思ったのでした。しかし神は「容姿や背の高さに目を向けるな。わたしは彼を退ける」と言われます。だれしも、見かけだけで人を判断するのはよくないと思いながらも、いざ見えるものが好ましく魅力に満ちていれば、それだけで心を引かれます。サムエルほどの人であっても例外ではありませんでした。
「人は目に映ることを見るが、主は心によって見る」と神はサムエルに言われます。心によって見るとは、真実を見るということであります。目に見えるものは真実を映し出さないことがあります。本当のことは目に見えないという言葉が、サンテグジュペリの「星の王子さま」の中に出てきますが、目に見えないところにこそ真実があるのは確かなことです。
目に見えないところに真実があることを教会の中に見ます。教会はそれこそ「心によって見る」ところです。「人間が見るようには見ない」ところであります。教会はこの真実をもって人を見る目を養う場となっていることに気付かされます。