わたしは父にお願いしよう。父は別に弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。この方は真理の霊である。
ヨハネ14章16節(参考箇所同書14章15〜21節)
イエスの十字架の出来事を前に弟子たちに語られた訣別の説教といわれる箇所の一部です。イエスはやがて弟子たちのもとからいなくなるけれども、目に見えない神の働きである聖霊を遣わすと約束された言葉です。ヨハネ福音書はその聖霊を「弁護者」と言っています。「弁護者」のことを聖書原語ではパラクレートスといい、助け主、慰め主という意味もあります。今日の言葉でいえばカウンセラーというわけです。
考えてみれば、教会生活を送る中で、困ったことがあれば助けが与えられたり、さらに信仰生活を成長させたいと願うこともありましょう。信仰を持って生活するには、こうした問題を一緒にいて助けてくれるカウンセラーが必要です。言ってみれば、聖霊の働きはカウンセラーのようなものです。
しかもヨハネは、この聖霊を「真理の霊」でもあると言います。キリストの言葉やわざがもつ意味を明らかにする働きを聖霊の中に見ています。あのエチオピアの高官が聖書を読むために求めた「手引きする者」(使徒言行録8章30〜31節)がそうです。聖書の真理に目を開き、信仰を告白するには助け手が要ります。その働きも聖霊が負うのです。