れいわ新選組の山本太郎代表(45)は15日、参院議員会館で記者会見し、東京都知事選挙(18日告示、7月5日投開票)に立候補することを正式に表明した。れいわ新選組の公認候補となる。
都知事選には、石井妙子『女帝・小池百合子』(文藝春秋)で経歴が検証された現職の小池百合子氏(67)、立憲民主、共産、社民が支援する日弁連・日本弁護士連合会の元会長、宇都宮健児氏(73)、日本維新の会から推薦を受ける熊本県の元副知事、小野泰輔氏(46)、NHKから国民を守る党の党首、立花孝志氏(52)も立候補を予定しており、ほかに13人がこれまで出馬を表明している。
立候補の動機について、山本氏は次のように語った。
「新型コロナ・ウイルスの影響で行き場を失った人たちに声をかけてきたが、多くの人がそれを自分のせいだと感じている。しかし、みんな一生懸命頑張ったあげく、コロナのせいでこんな状況に追い込まれた。そこで頑張るのが政治じゃないか。困っている人に対してすぐにでも手だてを打てるなら、目前の都知事選に出る」
公約には、来年に延期になった東京オリンピック・パラリンピックの中止や、すべての都民に10万円を給付、高校や大学の授業料1年間免除などを掲げた。
そのほか、野党統一候補として打診されていたが、次の衆院選で消費税5%を統一政策として掲げるなどの条件が立憲民主などとまとまらずに見送られたことや、宇都宮氏と5月下旬までに2回面会したことも明らかにした。
山本氏は1974年、兵庫県宝塚市生まれ。カトリックの家庭で、1歳で父を亡くし、2人の姉と一緒に母親に育てられた。小学5~6年生の頃、「自分にとっては安全な場所でした」という教会で多くの時間を過ごし、若い司祭が親身に面倒を見てくれたという。
高校1年の時に「天才・たけしの元気が出るテレビ !!」の企画「ダンス甲子園」をきっかけに芸能界入りし、その後、数々のドラマや映画に出演。2011年の東日本大震災をきっかけに反原発活動を始め、13年の参院選東京選挙区で初当選。19年、れいわ新選組を設立し、同年7月、参院選で比例区特定枠を使い、2議席を獲得したものの、自身は3位にしたことで議席を失った。れいわ新選組の得票率が2%を越えたことから、政党用件を満たした党の代表となった。
ちなみに、カトリック東京大司教区の菊地功大司教が山本氏の活動に触れた次のような文章もある。
今年夏に参議院選挙があり、山本太郎氏が率いる「れいわ新選組」が躍進しました。障がい者の方を二名、政界に送り込んだのには驚かされました。
選挙期間中は、山本氏の選挙演説を聞きに、多くの人が集まりました。これまでにない額の寄付金が寄せられ、中には、ポケットに数百円しかない人が、その数百円を差し出した、というようなことがあちこちであったとも耳にします。
それは山本氏が、政治に「いのち」の問題を持ち込んできたからであるという見方もできます。そしてそれを、決まり切った文句ではなく、聞く人の心に落ちる、まさに「生きた言葉」で語りかけたからではなかったかと思います。(「論座」朝日新聞社)