山脇百合子さんが死去 絵本『ぐりとぐら』挿絵、「子どもをただかわいがるって、やっぱり大切なこと」

絵本「ぐりとぐら」シリーズや「そらいろのたね」などの絵で知られる画家で絵本作家の山脇百合子(やまわき・ゆりこ)さんが9月29日、シェーグレン症候群による衰弱のため東京都内の自宅で帰天した。80歳だった。カトリック信徒。

「ぐりとぐら」(なかがわ りえこ 作 / おおむら ゆりこ 絵)福音館書店

1941年東京生まれ。上智大学外国語学部フランス語科卒。高校生のとき、童話「いやいやえん」の挿絵で、絵本作家としてデビューして以来、児童文学作家で実姉の中川李枝子さんとのコンビで数多くの作品を発表。1963年に旧姓の大村百合子名で発表した「ぐりとぐら」シリーズの関連書籍は、累計2150万部のロングセラーとなった。青と赤のつなぎと帽子がトレードマークの、ふたごの野ねずみ「ぐり」と「ぐら」の物語は、外国での評価も高く、現在までに13の言語に翻訳され、世界中で親しまれている。

そのほかにも、自作の話に絵をつけた「ゆうこのキャベツぼうし」、翻訳と挿絵を担当した「きつねのルナール」、翻訳の仕事として絵本「ペトロニーユと120ぴきのこどもたち」、単行本「ユーリーとソーニャ」などの作品もある。2013年には、中川さんとともに、第61回菊池寛賞を受賞している。

「ぐりとぐらのおきゃくさま」(なかがわ りえこ 作 / やまわき ゆりこ 絵)福音館書店

「後ろ姿を見ただけで、本当にこの子のことをかわいいと思って描いているとわかる」(Casa BRUTUS、2014年5月6日掲載)と山脇さんの絵を賞賛するのはアニメーション作家の宮崎駿さん。そのような絵が描ける理由を、2017年12月に掲載されたインタビューの言葉の中に見つけることができる。

でもね、色々と気を遣いながら子育てをしてるけれど、結局はみんなすくすくと立派に育ってるわよね。だから、特別なことをしてあげるより、子どもたちをただかわいがるって、やっぱり大切かもしれないって思います。

「いやいやえん」(中川李枝子 作 / 大村百合子 絵)福音館書店

山脇さんのデビュー作となった「いやいやえん」は、童話の同人誌「いたどり」で発表したものだった。それを当時岩波少年文庫を編集していた石井桃子さんの目に留まり、1962年に福音館書店から本にして出版することになったという。「ぐりとぐら」シリーズも発行する同書店は、1916年、カナダ人の宣教師によりキリスト教関係の図書を扱う書店として石川県金沢市で創設された。40年にクリスチャンの日本人経営者に譲渡され、戦後、受験用問題集やキリスト教会向け冊子などの製作、販売を手がけるようになり、書店事業とともに出版活動にも取り組んでいる。

 

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