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主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、アモス書の２章です。よろしくどうぞ。

アモス書　２章６節

彼らが金と引き換えに正しい者を売り、
履き物一足のために貧しい者を売ったからだ。（『聖書　新改訳２０１７』新日本聖書刊行会）

いつの時代でもどこの土地でも、正しい人が誰かのお金のためにひどい目にあうということは尽きないようです。イエス様も銀貨３０枚と引き換えに十字架につけられてしまいました。銀貨３０枚というのは現代日本の価値に換算すると９０万円ほどだそうです。９０万円といえばそれなりに大金ですけれど、人間一人の命の代価としてはあまりに安いと思います。もちろんそれが９００万円でも９０００万円でも９億円でも、人間の命の代価としてはあまりに安いのですけれど。

しかし、世の中にはもっと安い、たった数万円を奪うために人の命を奪う人さえいます。それこそ「履き物一足」のために命を奪ったり、人生を台なしにしたりしてしまうのが人間です。少し考えればそれほどの価値がないもののために、人をないがしろにしてしまうのが人間です。

天秤にかければ明らかなことであっても、人間は自分の欲望の前には、そもそもそれを天秤にかけることさえしなくなります。「欲しい」という欲望が、他のあらゆる価値を押しのけて凶行に走らせることが、人間には往々にしてあるんです。

命を奪うとか、人生を狂わせるとか、そんな大仰なことばかりではありません。たかだかランチの割り勘で数百円の得を得るために、仲間の信頼を失ってしまうこともあるかもしれません。数百円の得と仲間の信頼と、天秤にかければ明らかに後者の方が重いのに、「数百円でも得したい」という欲望が暴走して、天秤を破壊してしまうんです。

日曜日の朝に、「礼拝に行くよりもう１時間寝ていたい」と思ったことのあるクリスチャンの方は少なくないかと思います。正直、僕はそれで本当に１時間余計に眠るために礼拝をサボったことがあります。「もう１時間の睡眠」と「礼拝」、これも天秤にかければ明らかに後者が重いのに、目の前の「寝たい」という欲望が天秤を破壊してしまうんです。

夜中の一杯のラーメンのために、体型や体調を崩してしまうこともあるかもしれません。遊びたいという欲のために勉強がおろそかになって試験に落第してしまうこともあるかもしれません。「あともう一杯だけ」のお酒のために、二日酔いで翌日がボロボロになってしまうこともあるかもしれません。

このように、大きなことでも小さなことでも、目の前の欲望は理性の天秤を破壊します。大きな欲でも小さな欲でも、この「天秤を破壊する」力はたぶん同じです。この視点でみれば、わずかなお金のために人を害する人も、目の前のラーメンのために体調を崩す人も同じです。どちらも理性の天秤が壊れてしまっているんです。

欲望は理性を破壊する。欲望それ自体は必ずしも悪いものではありません。食欲だって睡眠欲だって性欲だって、人間にとって必要なものです。それを完全に欠いてしまえば、それはそれで問題です。しかしそれによって理性の天秤が破壊されてしまうとき、そこに悪魔の落とし穴があります。欲望は理性の制御下に置いておかなければいけませんし、その理性を保つには信仰と祈りが必要です。

今日もまた自戒。いつでも自戒。
それではまた次回。

主にありて。
MAROでした。

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