嘘は人に罪を犯させる。「嘘も方便」の危険性【聖書からよもやま話425】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は旧約聖書、 創世記の26章です。よろしくどうぞ。

創世記 26章10節

アビメレクは言った。「何ということをしてくれたのか。もう少しで、民の一人があなたの妻と寝て、あなたはわれわれに罪責をもたらすところだった。」(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

イサクはゲラルという場所に住むことになったのですが、そのとき自分の妻リベカを「私の妹です」とまわりのみんなに紹介しました。リベカがとても美しかったので「私の妻です」と本当のことを言ってしまったら妬まれたり羨ましがられたりして、良いことにならないと思ったからです。場合によってはリベカを奪うために自分は殺されてしまうかもしれないと思ったからです。

しかしやがてその嘘はバレました。イサクとリベカがいちゃいちゃしているところを見られてしまったからです。それでその地の王アビメレクは言いました。「なんでそんな嘘をついたの!?うちの民の誰かがリベカさんに君の奥さんだと知らずに惚れてしまったり、口説いてしまったり、仲良くなってしまったりしたら大変なスキャンダルになっちゃうじゃないのよ!知らずに不倫しちゃうところだったじゃないか。まったくもう、やめてよねそういうの!」

つまり、イサクは自分の身と立場を守るために、他の人に罪のリスクを被せてしまっていたのでした。自分が罪を犯すのはもちろん良くないことですけれど、他の人に罪を犯させるのもまた、良くないことです。悪気はなくても、人を陥れる結果を招いてしまいます。

アビメレクがきちんとしている点は「既婚者だと知らなければ、不倫をしてしまっても仕方ないよね」とは思わず、「たとえ既婚者だと知らなかったとしても、不倫は不倫だ」と考えているところです。アビメレクは信じる神は違うとはいえ、「神様はすべて見ている」とか「お天道様はすべてご存知だ」とかいうような倫理観を持っていたのかと思います。
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ときどき芸能人の方なんかが「未成年と知らずに関係を持ってしまいました。ごめんなさい」とスキャンダルを起こしてしまうことがありますよね。このケースでスキャンダルとして槍玉に上がるのはその芸能人の方であって、年齢詐称した未成年の子ではありません。「知らなかった」と弁明しても罪の責任を負わなくてはなりません。ちょっと気の毒な気もしますが、幸か不幸か世の中はそういうものです。

場合によっては大人たちが未成年の子に「大人の事情」のために年齢詐称をさせている場合もあります。こうなると本当にタチが悪い。イサクがやってしまったことはこれと同じです。リベカを独身だと思って近づく男性にも、そして愛するリベカ自身にも、罪を犯させることです。未成年に年齢詐称をさせる大人は、その未成年に近づく異性にも、その未成年の子自身にも罪を犯させることです。自らの保身や栄達やお金のために。あるいは相手にスキャンダルをつくって陥れるために。これはもう、自分が罪を犯すよりもタチが悪いなと思います。

「相手が既婚者だと知らなかった」と言っても、不倫は不倫、罪は罪なんです。だからこそ僕たちは、自分の身を偽って相手に罪を犯させるようなことをしないように、気をつけなければいけないと思います。「嘘も方便」というのは処世術としてよく言われることですけれど、聖書にはそんなこと書いてありません。十戒には「偽りの証言をしてはならない」とあり、嘘が厳しく戒められています。嘘は今回のケースのように、人に、場合によっては愛する人に、重大な罪を犯させてしまう危険性があるものだからです。

たしかに「嘘も方便」が通用するシチュエーションというのは、ときにはあるのかもしれません。しかし少なくとも日常的に「嘘も方便だよ」と軽々しく扱うべきものではないと思います。「世渡りのために嘘をついても仕方ないよね。むしろそれがスマートな生き方だよね」なんていうのは褒められた生き方ではないように思います。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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