いのちのことば社オアシス古書部 飛田雅史さんに聞く

 

いのちのことば社伝道グループの直営店であるオアシス新宿店が「オアシス古書部」を始めた。この取り組みについて、古書部担当の飛田雅史(とびた・まさふみ)さんに話を聞いた。

オアシス古書部の飛田雅史さん

──今回どのようにして古書部が始まったのでしょうか。

実は5、6年前、提案をしましたが、まだ時ではありませんでした。今回、上司より声をかけていただいて実現しました。以前、営業で外回りをやっていた時、教会の本棚が飽和状態になっているのを見て、それらを活性化させる必要があると思ったのです。そうした本を安心して引き取ってもらえる窓口があればいいなと。それから、品切れの問題もあります。店頭で接客をしていると、買いたい本が品切れで手に入らないということをけっこう見てきましたから。

──教会やお客様、時代のニーズによって古書部が立ち上がったということですね。実際立ち上げてみていかがでしょうか。

すごく可能性のある事業だと思っています。これまでは、新しい本を作って売る、それで終わりでしたが、今度はそれを引き取って、また違う人に回すという、お客さんとの新しい関係も出てきました。さまざまな理由で蔵書を処分したいという連絡を受けると、1冊1冊見て値段をつけさせてもらいます。そして、それらの本が探している人に渡り、喜んでもらえるのを肌で感じています。

──9月20日に始めて1カ月が過ぎました。反響はいかがですか。

今は「無償でもいいので引き取ってほしい」という人の本を受け入れています。その中にも珠玉の本、垂涎(すいぜん)の一品が出てくることもあります。申し込みが非常に多く、すでに今、古書サイトには約1000冊あります。また、新宿店の常設コーナーに約600冊、横浜、梅田、福岡、新潟の4店舗に100冊ほど置いています。

オアシス新宿西口店の中に設置されている古書コーナー

また、「こういう本を見つけてほしい」といったリクエストも受け付けています。2年間登録しておいて、その本が見つかったら、古書サイトにアップする前に連絡するようにしています。すでに何件かご購入いただいています。

──今後は有償での引き取りもされるのでしょうか。

来年1月から有償での引き取りも始める予定です。こちらに送ってもらい、査定をして、その金額に納得していただけたら、その料金を振り込むというかたちです。

──査定の目安は?

たとえば、絶版になっている昔から人気の書籍が入荷して、ある値段でサイトにアップしたところ、3時間ほどで売れました。他のサイトだと4万も5万ものプレミアがついています。でも、それでは余程(よほど)でないと個人では買えません。3時間で売れたのは、探している人にとってはその値段が妥当だったのだと思います。買っていただくことが本の価格の基準となり、相場の目安となります。

──飛田さんにとって古本の魅力は何でしょうか。

私は昔から本屋が好きで、古本屋巡りも好きなんですね。「探しなさい。そうすれば、見つかる」(マタイ7:7)ではありませんが、見つけた時の喜びは大きい。古本は一期一会です。その時に買わなかったら、次はないかもしれない。新刊書とは違う出会いがあります。

──今、古書店は、大型店やネットオークションなどに押されて、仕入れのルートがないと聞きます。そんな中でオアシス古書部の強みは何だと思いますか。

いのちのことば社は教会との関係もしっかりありますし、個人のお客さんとの関係もあるので、有利だと思います。信頼していただいているので、こういう事業ができるのです。仕入れるのも、信頼関係がないと、今はなかなか難しいですから。「いのちのことば社さんなら安心して引き取ってもらえる」と言っていただけるのは、長年の歴史の中で培われたことなので、それにお応えしていきたいです。

──最後に、古書部担当者として心がけていることを教えてください。

モットーは、「地球に優しい、教会に優しい、あなたに優しい、オアシス古書部」。古い本を扱う「リサイクル」。教会や個人の方から買い取って、探している人に提供する「リユース」。そして、信仰書を読んで励まされ、それが次の人につながる「リバイバル」に役立てばと思っています。

このたび、プレオープン中の「オアシス新宿西口店」にも古書コーナーを常設しました。お買い得なものや絶版のプレミアものを増やしていきますので、古書との出会いを楽しんでいただけたら感謝です。遠方の方は古書サイトをご覧ください。どちらもご来店お待ちいたしております。

 






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