第2回日本青年伝道会議 テーマは「神の国マインドに生きる」(後編)

 

日本福音同盟(JEA)青年委員会が主催する「第2回日本青年伝道会議」(NSDⅡ)が22日から24日まで、お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)などを会場に開催された。「神の国マインドに生きる」をテーマに、中学生から社会人まで約580人が参加した。

初日、JEA総主事の品川謙一(しながわ・けんいち)さんがオープニング・メッセージを取り次いだ。午後からは青年宣教サミットが行われ、二つの発題がなされた。初めに「青年の育成と伝道に取り組むために」というテーマで西村敬憲(にしむら・たかのり)さん(日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会牧師)と蔦田聡毅(つただ・さとき)さん(イムマヌエル綜合伝道団・堺キリスト教会牧師)が語った。

次に、「超教派団体がどのように教会に仕え、教会を建てあげる働きを担っていけるか」というテーマで、大嶋重徳(おおしま・しげのり)さん(キリスト者学生会〔KGK〕総主事)とスズキ知恵子(ちえこ)さん(高校生聖書伝道協会〔hi-b.a.〕スタッフ)が登壇した。

大嶋重徳さん(キリスト者学生会〔KGK〕総主事)

大嶋さんはまず、超教派の問題をにこう指摘する。「かつて超教派運動が教会にもたらした混乱は深刻なものがあります。教会を分裂させたり、さらには教会を上から見るような姿勢を持っていたことは否定できない問題です。そのような超教派運動のあり方には深い反省が必要です」

その上で、超教派の可能性についても次のように話した。

「福音は変わらないが、届け方は時代によって変わっていきます。どうしたら若い世代に福音を届けることができるのか、若い牧師たちと一緒になって勉強し、教えてもらうことを抵抗なくできるのが超教派という場所です。教派も神学も成立も違うところから謙虚に学ぶという姿勢で、何を変えるべきかを分かち合えるのが超教派だと思います」

「超教派」団体はむしろ「協教派」といったほうがふさわしいのではないかと大嶋さん。というのも、自身の学生時代、KGKの主事や先輩からいつも、「あなたの教会を絶対に大事にしなさい」と指導されてきたからだという。また、KGKでさまざまな教団や教派の人と出会ったことから、自分の教会に神様が持っておられる計画に気づくこともできた。「教会が、この人から話を聞きたくなると思える働き人になりなさい」という、神学校を卒業する時に校長に言われた言葉を胸に刻んで私はやってきたように思う、と振り返る。

「超教派団体は、ある一人の思いだけで突っ走るのではなく、教会の信頼を得る、歴史に耐えうる働き人として、教会のかたわらに立ち続ける存在だと思っています。超教派運動は『パラ・チャーチ』とも呼ばれています。『パラ』は、聖霊なる神様を表します。かたわらに立って慰めや励ましの言葉を伝えながら、教会のかたわらで日本宣教のためにお仕えしていきたい。これが宣教団体全体の思いではないかと思います」

スズキ知恵子さん(高校生聖書伝道協会〔hi‐b.a〕スタッフ)

続いて登壇したスズキさんは、hi-b.a.のスタッフとして東京で二つの集いを担当しながら、新地域コーディネーターとして各地の教会訪問も行っている。この日は、その中で見たり聞いたり感じたりしたことを語った。

小さい頃は、親や牧師に言われて聖書を読んだり、教会に行ったり、祈ったりするが、高校生になると、なぜそうするのか、自分で答えを見いだす必要がある。スズキさんは、彼らの近くに置かれている自分たちの言動が彼らに大きな影響を与えていると言う。

「高校生伝道はハウツーも万能薬もありません。目の前に一人でも悩んでいる人がいるなら、私たちは主の愛を持って彼らのかたわらに立っていきたい。SNSも、知恵をもってコミュニケーションの一つにできたらと思っています。ただ、地域によって高校生活に違いがあります。そのことをいちばん実感し、きめこまやかに対応できるのは地域の諸教会だと思います。教会間のつながりの難しさもあるかもしれませんが、教会・教団・超教派の宣教団体が協力していかなければ、日本のユース宣教は進んでいきません」

グループに分かれてのディスカッション

青年宣教サミットでは、中高生、大学生、社会人のグループに分かれ、発題ごとにグループ・ディスカションの時を持った。今回は、中高生76人、大学生222人の申し込みがあった。最後に中高生グループが報告で分かち合い、「大人への不満より、自分たちの可能性についての発言が多かった。一方、友達を誘うことの難しさや、誘った後のケアが重荷になり、そういうところを教職者に打ち明けられず悩んでいる」と伝えた。

この日集会に参加した20代の女性は次のように感想を語った。「この集会では、教会では見せることのできない弱さをさらけ出せます。同じような悩みを抱える人がいることを知り、とても励まされました。参加してよかったです」

 






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