観る人の胸を打つ現代の聖画。油彩画家・井上直(いのうえ・なお)さん

キリスト教イラスト素材集たまものクラブ

システィーナ礼拝堂の天井画に感動し、聖画を手がけるようになったという井上直さん

――どんな活動をされていますか?

油彩画家として注文制作を手がけるほか、主に聖書を題材にした作品を制作し、全国各地の教会をお借りして個展を開いています。

――クリスチャンとしての歩みを教えていただけますか。

5代続くクリスチャンの家系に生まれ、両親の祈りによって幼児洗礼を授けられたのが始まりでした。

――クリスチャン人口が少ない日本で5代も! では、子どもの頃から日曜日は教会に行くことが当たり前の生活だったんですね。

そうですね。でも、両親から強要されたことは一度もないんです。毎週、日曜日の朝に「今日は教会に行く?」と聞かれるんですね。そのときに行くと答えれば連れて行かれるし、「今日は友達と遊びたいから行かない」と言えば、そのまま受け入れてくれる。
小学3~5年生までの約2年間、まったく行かなかった時期もありましたね。また通うようになったきっかけは覚えていないんですが、急に行きたいと言い出したみたいで…(笑)。それからは自分の意思で通うようになり、1998年のペンテコステに信仰告白をして、いまに至ります。

――井上さんの意思を尊重してくださっていたんですね。聖書を題材にした絵はいつ頃から描かれているのでしょう?

高校生のときに、ある方にバチカンのシスティーナ礼拝堂天井画の画集をいただいたことがきっかけです。こんなにすごい絵があるのかと衝撃を受けました。バチカンはカトリックですから、プロテスタントならではの作品が描けないだろうか…と独学で描きはじめました。特に、受難をテーマにした作品が多く描いています。

《風(嘆き)》

――独学で感性を磨かれたんですね。教会での個展はいつ頃から?

絵はもともと好きで、幼稚園の頃から描いていたんじゃないかな。でもコンクールに入賞したりとか、世間から評価されたことはなかったと思います。美術系の高校に進んだんですが、残念ながら美大受験でははじかれてしまって(苦笑)。それでもいいや、とただ描きたい一心で描き続けている内に教会の主任牧師から声をかけられ、初めて個展を開きました。その個展にいらした別の教会の方からも声がかかるようになり…15年近くこうした活動を続けています。

絵を続けていて本当に嬉しいのが、自室などに飾ってくださっている牧師さんが多くいらっしゃることなんです。色々な教会、宗派の方が評価してくださっていることが大きな励みになっています。

――先日出版された、平野克己牧師の説教集『説教 十字架上の七つの言葉』の装丁も手がけられました。

出版社の方が僕のTwitterを見つけて、声をかけてくださったんです。そこから、銀座の教文館での個展のお話もいただいて。装丁のお仕事も、教会以外の場所での個展も初めてでしたので、願ってもないお話でした。

『説教 十字架上の七つの言葉』平野克己(キリスト新聞社)

――普段はアトリエにずっとこもって書いていらっしゃるんですか?

それが、僕は集中力がなくて、ずっとこもっているということができないんです。続いても2~3時間、短いときは1時間で飽きてしまって。油絵は1度塗ると絵の具が乾くまでに1~2日間ほどかかるんですね。常に複数の作品を同時進行で描いていて、1枚加筆して、乾かす間に別の絵に加筆して…という具合で進めています。画家というと1枚ずつ絵を仕上げていくイメージがあるかもしれませんが、僕の場合は5~6枚の絵を一気に仕上げていきます。
だから、イエス・キリストの十字架をテーマにした絵を描いている横で、注文制作の犬の絵を描いていることもあります(笑)。

――その光景、ちょっと覗いてみたいです(笑)。注文制作以外の作品のテーマはどんな風に決められるのでしょう?

いかにも芸術家風な表現ですが、“降りてくる”瞬間があるんですね。(。。。つづきはこちら)

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