串本町長選に牧師の小野恵氏が出馬表明

単立・からし種チャペル(和歌山県串本町)の牧師、小野恵(おの・めぐみ)氏(69)が19日、串本町長選挙に無所属で立候補すると表明した。同町長選挙は、任期満了に伴い、来年4月末に実施される。

小野恵氏(写真:からし種チャペルのホームページから)

串本町は本州最南端に位置するが、小野氏は、串本町から海沿いを30キロほど北東に行ったところにある那智勝浦町天満で生まれた。祖父と父は牧師で、日本基督教団・紀南教会が母教会。和歌山県立・新宮高校、韓国のメソジスト系のミッションスクール、梨花女子大学医学部を卒業したのち、キリスト教精神に基づいて始められた聖隷浜松病院で麻酔科研修を終え、クリスチャン医師の小野道夫(おの・みちお)氏と結婚した。

道夫氏は、1976年に東京医科歯科大学医学部を卒業して東京大学脳神経外科学教室に入局し、微小脳神経外科解剖の研究で博士号を取得。81年にフロリダ大学脳神経外科学教室、86年にはチューリッヒ大学脳神経外科学教室でも研究を続けた。その後、ブラジル、アルゼンチン、ザンビアで脳神経外科の診療や教育のかたわら、ボランティアで途上国医療支援を行う。96年、ロンドン公衆衛生熱帯医学大学院に留学し、修士課程修了。2000年、ハーバード公衆衛生大学院武見プログラムを終了後、ネパールで学校地域保健プログラムを担当し、インド・ケララ州ではコミュニティー・プログラムで癌末期患者の在宅暖和ケアに従事した。

04年に帰国後、救急医療の研修を経て和歌山県東牟婁郡古座川(こざがわ)町の高瀬会高齢者総合ケアセンターで高齢者の全身管理や認知症の診療に従事。16年から額田記念病院(神奈川県鎌倉市)で「こもれび外来」(コウノメソッドによる認知症専門外来)を開設し、4年間、多くの認知症の人々の診療にあたった。

恵氏も3人の息子の母として20年間、道夫氏と共に、米国、スイス、ブラジル、アルゼンチン、ザンビア、英国、ネパール、インドに滞在。アフリカのザンビア共和国日本大使館の初代医務官として派遣され、その後、米国の神学大学修士課程で2年間学び、病院のチャプレンとして、ミネソタのメイヨー・クリニックとボストンのハーバード大学附属病院で研修。帰国後は高瀬会高齢者総合ケアセンターの老人保健施設で医師として勤務し、在宅医療や緩和医療に携わっていた。しかし2年後、心不全で意識をなくし、ヘリコプターで大阪の国立循環器研究医療センターに搬送されたところ、難病の肺動脈性肺高血圧症と診断される。それから2年間、寝たきりとなるが、徐々に回復し、2016年、串本に自宅を建て、そこを教会として活動を始める。また、道夫氏と共に認知症講演を国内外で行っている。

町文化センターで記者会見を開いた小野氏は「町長になることが子どもの頃からの夢だった」と出馬動機を述べ、独居でも安心して生きていける町づくり、防災ソフト対策向上、個性を生かす教育などを公約に掲げた。

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現職の田嶋勝正(たしま・かつまさ)町長(62)は6月、出馬を表明したが、小野氏の次期町長選への出馬は2人目となる。田島町長は1958年、串本町生まれ。県立・串本高校から大阪芸術大学に進み、80年に卒業。89年、旧串本町議会議員に初当選し、98年から旧串本町長を2期務めた。2005年、旧串本町と旧古座町の合併に伴う新串本町長選で松原繁樹(まつばら・しげき)に1237票差で負けて落選するが、09年の町長選挙では2570票差で松原氏に勝ち、串本町長に返り咲いた。13年の町長選では対抗馬がおらず無投票で当選し、17年の町長選でも、和田天寿氏に約4800票差をつけて当選した。投票率は72・5%だった。現在3期目。

 






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