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◆1908年4月28日 世界エスペラント協会設立
エスペラントというのは、ルドヴィゴ・ザメンホフという人が中心になって、世界共通語として考案された人工言語です。「エスペラント語」とも呼ばれますが、正式には「語」をつけずに「エスペラント」と呼びます。この「エスペラント」という単語はエスペラントにおいて「希望」を意味する語です。「この世界共通言語が世界の希望である」という意味で名づけられました。
世界にはエスペラントを用いる人(エスペランティスト)が100万人ほどいると言われていますが、この人たちのほとんどは他に自分の母語を持ち、第二言語としてエスペラントを学んだ、あるいは学んでいる人たちです。これを考案したザメンホフ自身も、エスペラントは多くの人の第二言語であるべきものと考えていました。
旧約聖書には「全地は一つの話しことば、一つの共通のことばであった。(創世記11:1)と記されています。しかし人々が自分たちの力を過信して巨大な塔を建てようとしたので神様が彼らのことばをバラバラにしました。このエピソードから「言語をバラバラにしたのは神だ」という人もいますが、見方を変えれば「言語がバラバラになったのは人の傲慢(ごうまん)のためだ」とも言えます。いずれにせよザメンホフはこのバラバラになったことばを再び一つにしようと試みたんです。
現在のエスペランティストの100万人という人数を多いと見るか少ないと見るかは評価が分かれるかもしれませんが、現代ではたとえばgoogle翻訳などの様々な翻訳ソフト・システムが普及しています。やりかたこそちがうものの「言語を一つにしたい」というのは人類の大きな夢なんだと思います。聖書が教えることは、そのためには言語自体の研究も大事ですが、何よりも人が傲慢から脱することが必要なのだということなのかもしれません。たとえどんなに完成された言語やシステムが考案されても「俺の言語の方が素晴らしい!」「いやいや、私の言語の方がふさわしい!」と争ってしまっては世界共通にはならず、むしろ争いの火種になってしまいませんから。
それではまた明日。

MARO 1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。 10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)2022年3月15日発売。