漱石は「月が綺麗ですね」とは言っていない? 

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◆1867年2月9日 夏目漱石の誕生日

夏目漱石は日本で最も有名と言っても過言ではないほどの文豪です。実際その代表作の一つである『こころ』は「日本で一番売れている小説」とさえ言われています。その作品にはあまり直接的なキリスト教の影響はみられないのですがイギリス留学の際には宣教師との交流があったり、その薦めで聖書を買って読んだりはしたようです。『三四郎』には「われは我が咎(とが)を知る。我が罪は常に我が前にあり」と旧約聖書の詩篇51篇が引用されています。漱石は生涯を通して「人の罪」を描きましたし、漱石の作品では「罪」は救いのない形で終わることが多いですが、「罪」に対する一つの視点として、聖書を参考にしたところはあるのだと思います。

ところで漱石といえば「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したというエピソードが有名ですが、これは漱石の英文の授業を受けた人の証言から伝言ゲームのように広まったもので、本当に漱石がそう訳したかどうか、それを確証する文献は残っていないのだそうです。ちょっと残念な気もしますが、しかし少なくともそんなエピソードが生まれるくらいセンスのある人だったことは伺えます。

それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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